サッカーW杯 最新コラム

更新日:2004年11月05日

11月17日(水) W杯アジア1次予選シンガポール戦 日本代

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1次予選進出を決めている日本代表は最終戦をシンガポールと戦う。ジーコ監督の「功労者の召集」で話題を呼んだ今回の選考だが、AFCからの通達もあり普段どおりの選考となった。

ジーコ監督

「前回のオマーン戦で最終予選行きの切符を取り、今回ホームでシンガポール戦を迎える。勝利を確信しつつ、しっかりとした準備をし、いつも通りまじめに最後まで全力を尽くしたい。普段は数名の海外組を呼んでいるが、彼らの働きなくして1次予選突破はありえなかった。クラブも協力的で、練習の時から帰国させてくれた。オマーン戦の後、シンガポール戦には呼ばないと、選手たちにもクラブにも伝えてある。来てくれと言えば、彼らは気持ちよく来てくれるが、前後の日程や移動を考えると、最終予選進出の決まっている今回は呼ばない方がいいと判断した。今回、召集するメンバーは土肥、楢崎、三浦、田中、松田、三都主、宮本、中澤、加地、藤田、福西、小笠原、本山、中田浩二、遠藤、鈴木、玉田、大久保の18人だ」

……オマーン戦の後、提案していたベテラン選手は選ばれていないが?

「あれは1つの提案として申し上げただけ。現役として戦っている選手たちに感謝の意を捧げたいと思い、あのプランを発表した。ただ、自分がオマーン戦の後、ブラジルにすぐ帰国したことで、その情報が独り歩きしてしまい、フェスタ(祭り)として捉えられた面がある。私は選手時代から今まで相手への尊重を欠いたことがないので、日本に戻ってきてその報道ぶりにビックリした部分がある。今回の18人は選手たちの声によるものだ。キリンカップ、アジアカップ、ワールドカップ予選とチームを盛り上げるために5分でも1分でも努力を惜しまなかった選手の声を聞いたところ、実戦の中で体験したいという要望が強かった。それで私は決断した。協会と話し合った時も自分に選考を一任してくれた。選手の声を率直に受け止め、期待を込めてこのような選考にした」

……田嶋技術委員長から選手の声を伝えられたのか?

「選手と自分は一緒に長く仕事をしているので、川淵キャプテンや田嶋さんに頼む必要はない。鈴木通訳を通じて話してもらって、忌憚のない意見をということで集めた」

……協会としての意向はあるのか?

(平田GSが答える)「代表やJリーグに貢献してきた人に感謝の意をというアイディアを東京で間接的に聞き、素晴らしいと思った。ジーコ監督の頭の中、心の中で生き続けているプランだと思う。が、具体的にはまだ何もない。協会としても何かできたらいいと思っている。実現する際には、みなさんのご支援をお願いしたいと思う」

……大久保を久しぶりに召集した理由は?中田と稲本を呼ばなかったのは?

「まず中田だが、ケガのブランクから立ち直ってきて、コパイタリアでも表情に余裕があった。プレーのキレも出てきている。ただ今はクラブで専念することがベスト。それは稲本も同じこと。今は本来のコンディションを取り戻そうとしているので、ことさら、この試合に呼ぶ必要はない。移動もあるし、今回は見送った。大久保に関しては、チーム自体はあまりよくはないが、チームのためにいいプレーを続けている。得点にも絡んでいるから、それを代表でも生かしてほしい」

……シンガポール戦のスタメンは?

「土肥、松田、宮本、三浦、加地、遠藤、中田浩二、藤田、小笠原、本山、玉田。その11人をスタメンと考えている。茶野は数日前にケガをしてしまって残念だ。久保も腰痛と戦っている。今回はケガなので、仕方がない。天皇杯とJリーグの試合があるから、その間、クラブで試合をしてもらいたい。楢崎と玉田は10日に試合があるから、クラブに帰ってもらうつもりでいる」

……このメンバーから見ると、4バックですか?

「練習をご覧になって、ご想像ください」

……先ほど平田GSが「チャンスがあれば功労者を呼ぶ機会を作りたい」とおっしゃっていたが、ジーコ監督もそれを実現させたい気持ちはあるのか?

「今現在、具体的にということはないが、基本的な考え方として、日本サッカーの礎を築いた人たちが現役でいるうちに何かしたいと思っている。それが望ましいし、自分も現役だった時、チャンスを与えられて感動した。多くの人がこれまでの軌跡を考え直すいい機会だ。できるだけ具体的になればいいが、いつどこで、とはまだ言えない。時間がかかるかもしれないし、すぐに実現するかもしれない。このアイディアが具体化されればいいと思う」

……選手の声を集めたという話だったが、誰の声をどのように集めたのか?

「オマーン戦の後の車中やその後、電話で聞いた。「自分たちにチャンスが回ってくるかもしれないし、試合に出られるかもしれない」という声が多かった。リーダー格の選手にも確認したが、「絶対にワールドカップに連れて行く」という気持ちが彼らの中で非常に強いことが改めて分かった。すでに1次予選突破が決まった試合でも、この雰囲気を味わっておきたいという声がほとんどだったので、監督に伝えて、考慮してもらおうという話になった。

付け加えて経緯を話すと、オマーン戦の後、自分が直接ブラジルに帰るから、通訳に頼んで選手たちの感触を探ってくれと話した。その結果、彼ら(サブの選手)も非常に積極的にやりたいという意見だった。最終予選は決まっているし、クラブにとっても非常に大事な時期だから迷惑をかけたくない気持ちもあったが、彼らの将来に役立つならそうしたいと思ったし、意見を反映したかった。彼らなくして数々の勝利やタイトルはありえなかった。レギュラーとレベル的に変わらないベンチの能力がある限り、日本は成功できると確信した。そういう選手たちの気持ちを生かしたかった」

……3日付でAFCから「ベストメンバーを選ぶように」という文書が届いたが、その影響はあったのか? 大久保への期待も教えてほしい。

「まずレターは実際にあった。自分としては、どの権限でAFCが監督である私にそういうことを言えるのかと思ったのが正直なところだ。じゃあ彼らが監督になればいいじゃないかと。ベテラン選手たちも現役だし、Jリーグの高いレベルで闘っているのに、そういうことを言うのは彼らに失礼だ。私は川淵キャプテンからピッチ内に関して信頼を置いてもらっている。「100%任せるよ」とも言われている。私は誰を選んでもいい立場なのだ。

今回の大久保に関しては、彼が五輪に出たことは関係ない。非常に調子を保っているということで、純粋に彼を選んだ。その選手がいかに長期間、好調を維持しているかが大事。大久保はゴールに絡んでいるし、実際にゴールも挙げている。キレもある。今回は大きな期待を持って選んだ」

(取材・文/元川悦子)

●1P目 日本代表メンバー
●2P目 功労者選出断念の経緯

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(執筆者:小野寺 俊明)

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