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6+5ルールとは?外国人枠についての考察

先日のCLリバプール対インテル。スタメンを見ると、リバプールのイングランド人は2人、インテルのイタリア人は1人。FIFAのブラッター会長が自国選手を育成する目的の「6+5ルール」案を提唱しているが。

執筆者:斉藤 健仁


先日2月19日に行われたチャンピオンズ・リーグ(CL)のリバプール対インテル戦。スタメンを見ると、リバプールのイングランド人選手は2人、インテルのイタリア人選手は1人……。FIFA(国際サッカー連盟)のブラッター会長が自国選手を育成する目的の「6+5ルール」案を提唱しているが、欧州には「ボスマン裁定」の壁がある……。

プラティニも支持する「6+5ルール」とは?

UEFA会長のプラティニは「6+5ルール」を支持しているが……。(写真:斉藤健仁)
2月5日、FIFAのブラッター会長は、クラブ間の対戦では外国人選手の先発を5人までに制限し、残りの6人は自国選手が出場することを保証する、いわゆる「6+5ルール」を5月末にシドニーで行われるFIFA総会に提出する方針を明らかにした。

現在、欧州のビッグクラブでは、外国人選手の占める割合が多くなってきているのは事実。先に挙げたリバプールやインテルだけではない。やはり先日行われたCLのアーセナル対インテル戦では、ミランには6人のイタリア人選手が先発したが、アーセナルにいたってはなんと全員がイングランド以外の選手だった。

こうした状況を考慮してか、昨年UEFA(欧州サッカー連盟)の会長に選出されたフランスのミシェル・プラティニもこの「6+5ルール」の支持者である。

外国人枠は設けられているが―欧州主要リーグの外国人枠

ここで現在、欧州の主要リーグでの外国人選手登録枠の規定を見てみよう。

■イングランド・スコットランド
EU及びEFTA(ヨーロッパ自由貿易連合)加盟国(アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス)の国籍を持つ選手は登録無制限。また、英国協会(イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランド)、およびアイルランド国籍の選手は国内選手扱い。

■スペイン
EU加盟国の選手――制限なし
それ以外の選手――3人まで
※ただし、アフリカ、カリブ、太平洋諸国の選手は外国人枠が撤廃される予定。

■イタリア
EU内およびEU加盟申請中の国の選手――制限無し。
それ以外の外国籍選手――2002年7月18日以前に契約した選手には適用されず、毎年8月31日までに新たに契約してセリエAに参戦する選手は、各クラブに1人のみ追加で登録することが許される。

■ドイツ
昨季から「外国人枠」を撤廃、代わりに「ドイツ人枠」を設けた。これは、各クラブが地元で育成された選手6人とドイツ国籍を持つ選手6人の計12人のドイツ人選手と契約しなくてはいけないというルール。

■オランダ
外国人枠――なし
※ただし、EU圏外の選手には、最低年俸35万ユーロが設定されている。

■フランス
EU加盟国の国籍を持つ選手――制限無し。
それ以外の国籍の選手――3人まで。

■ポルトガル
EU圏内の選手――制限無し。
※ポルトガル国内においてブラジル人労働者はポルトガル人と同じ権利を有するためブラジル人選手にも制限はない。
それ以外の国籍の選手――登録は6人、ベンチ入りは4人まで。

このように、各リーグで外国人登録に関して何らかの制限は設けられている。しかし、EU圏内の選手は原則として国内選手と同じ権利を持つことが保証されている。これは、1995年にEU司法裁判所が下した「ボスマン裁定」によるルールだ。
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