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更新日:2007年02月07日

カルチョのない週末-セリエAでの暴動事件

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2月2日にシチリア島で行われた森本の所属するカターニア-パレルモ戦で、機動隊警察官がサポーターの投げた紙の爆弾で死亡するという痛ましい事件が起きた。その週末、イタリア全土から「カルチョ」が消えた……。

文章:斉藤 健仁(All About「ワールドサッカー」旧ガイド)
2月2日にシチリア島で行われた森本の所属するカターニア-パレルモ戦で、機動隊警察官がサポーターの投げた紙の爆弾で死亡するという痛ましい事件が起きた。その週末、イタリア全土から「カルチョ」が消えた……。

金曜日、突然の悲報

現地のスポーツ新聞「ガゼッタ」では、カターニア-パレルモ戦の採点は行われなかった(©斉藤健仁)
イタリアでは通常、セリエAは土・日、セリエBは金~月曜にかけて行われている。しかし、セリエAのカターニア-パレルモというシチリアダービーは、2月2日の金曜の夕方に組み込まれた。シチリアのチームがセリエAの上位で対戦することは珍しく、サポーターがいつも以上に興奮することは十分予測でき、そのために平日の夕方にあえて開催したのであった。

だが、それでも悲劇は起きてしまった。

カターニアホームで行われた試合に、パレルモのサポーター・グループのバスは試合開始に間に合わなかった。アウェイ席に乗り込んだカターニアサポーターの挑発もあり、スタンドは早くも発煙筒の煙で充満し、試合は何度か中断を余儀なくされた。

試合は2-1でパレルモの勝利に終わったが、スタジアムとその周辺でのサポーター同士の衝突は止まらなかった。カターニアのゴール裏席の外の車で待機していた、機動隊警察官のフィリッポ・ラチーティ氏が騒動を止めようと車を降りたところに紙製爆弾がスタンドから投げ込まれ、ラチーティ氏の顔面に直撃。すぐに病院に搬送されたが、およそ30分後、ラチーティ氏は妻と2人の子どもを残し、38歳の生涯を閉じた。

スタジアムだけが静かなトリノ

オリンピック用に作られた施設でにぎわう週末のトリノ。その中でスタディオ・オリンピコだけが静まりかえっていた(©斉藤健仁)
サッカーの試合で人命が失われるという事態を重く見たイタリアサッカー協会特別委員長のルカ・パンカッリは翌日土曜日以降に国内で行われるすべてのカテゴリーの試合を中止することを急きょ決定。

2月3日土曜日のトリノは、まるで春のような陽気だった。街にはバーゲン期間中のこともあり、買い物を楽しむ人や散歩をする人であふれていた。また、この日は昨年の冬季五輪の選手村のあるリンゴット地区では、スピードスケートとスノーボードのW杯が行われ、そこには大勢の観客も詰めかけていた。

しかし、そこから1キロほど離れたスタディオ・オリンピコの門は閉じられていた。16時に予定されていたセリエBのユベントス-リミニ戦は延期され、リミニの選手たちは昼食後に宿泊先を後に。

テレビやラジオからも試合のニュースは届くことなく、誰も試合の結果やゴールについて話題にすることもなかった。サッカーシーズン真っ盛りの冬のイタリアから、「カルチョ」が消えた週末の不思議な光景だった。

(執筆者:斉藤 健仁)

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