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更新日:2008年11月25日

伝説のエッセイ"新パパイラスの舟"の出帆

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日本ハードボイルド界の重鎮・小鷹信光による"究極のアンソロジー"が刊行されました。翻訳ミステリーの愛好家には必携モノの1冊です。

文章:福井 健太(All About「ミステリー小説」旧ガイド)

ハードボイルド史上の偉人
小鷹信光の履歴書

『私のハードボイルド:固茹で玉子の戦後史』
第一人者が自伝的に語る日本のハードボイルド史。評論、エッセイ、資料集としての価値を備えた第60回日本推理作家協会賞受賞作。
戦後の翻訳ハードボイルド史について語る際、多くのマニアが真っ先に名を挙げるであろう人物——それが小鷹信光だ。1936年に岐阜県高山市で生まれた小鷹は、早稲田大学第一文学部(英文科)在籍中に評論活動を開始し、卒業後には医学書の編集者を勤めながら翻訳家としてのスタートを切った。1975年に刊行された『パパイラスの舟』をはじめとする評論・エッセイ集、オリジナル小説〈探偵物語〉シリーズ、テーマ別のアンソロジー、ダシール・ハメット、ジェイムズ・M・ケイン、リチャード・スタークといった大御所たちの翻訳など、様々な角度から——150点を越える書籍を通じて——日本のハードボイルドに多大な影響を与えた"歴史的存在"なのである。

小鷹はポルノ小説の研究家でもあり、自らポルノ小説を翻訳するほか、性俗語や隠語を集めた『和英ポルノ用語辞典』の執筆も手掛けている。そんな著者は2006年に『私のハードボイルド:固茹で玉子の戦後史』で第60回日本推理作家協会賞を獲得したが、"日本のハードボイルドそのもの"の実体験に基づく(貴重な)受容史が絶賛されたのは当然のことと言えるだろう。

次のページでは『〈新パパイラスの舟〉と21の短篇』を御紹介します。

(執筆者:福井 健太)

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