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こんな小説は書かれるべきではなかった?

「何か面白い小説ないかなぁ」というとき、読み巧者が編纂したアンソロジーは、お得感があっておすすめ。読者から「こんな小説は書かれるべきではなかった」という抗議が来た傑作とは?

執筆者:石井 千湖


「何か面白い小説ないかなぁ」というとき、読み巧者が編纂したアンソロジーは、お得感があっておすすめ。今回は『淑やかな悪夢』をご紹介します。

怖い怖い傑作「黄色い壁紙」

淑やかな悪夢
英米の女性作家による、本邦初訳の恐怖譚12篇を収めた一冊
『淑やかな悪夢』は、倉阪鬼一郎、南條竹則、西崎憲の三氏が、英米の女性作家の短篇から選りすぐりの恐怖譚12篇を集めた本です。

シニカルでエロティックな『牡丹灯篭』英国版「証拠の性質」、邪悪な人魚姫という感じの「蛇岩」、短篇の名手として知られるマンスフィールドの異色作「郊外の妖精物語」など、わかりやすい怪物は出てこないけれど、どれも背中のあたりが冷んやりとする怖さ。

でも何といっても一番怖いのは……

こんな小説は書かれるべきではなかった。読んだ者が誰であれ、正気を失わせること疑いなしだ。

発表当時、↑こんな抗議の手紙が来たという「黄色い壁紙」! 医師の夫と神経の不調に悩む妻が夏の休暇を過ごすためにやってきた古い家。妻にあてがわれたのは、奇妙な模様のある黄色い壁紙の貼られた部屋でした。不気味な部屋に閉じこもり、夫に内緒で書き物をする妻の一人称でつづられています。ただ壁紙の模様をじっと見て想像をめぐらせるだけの話ですが、彼女の内部で起こっていることに気付くと戦慄を感じずにはいられません。この1篇だけでも819円の価値はあると思います。

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