日本画/日本画関連情報

JSP-Portrait-松崎有希子

・・・花は吸い込まれそうな魅力、妖しさを持って私に語りかけます。匂い立つように放たれる空気は何者にも代えがたいオーラ。繰り返し原始の時代から生き抜いてきた強さが私を捕えて離しません。

執筆者:松原 洋一

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松崎有希子 MATSUZAKI YUKIKO
1972年 茨城県生まれ
1999年 京都造形芸術大学大学院修士課程(日本画)修了

詳しい経歴と最新情報

体が資本です。おいしいものを食べ、よく寝る。「ああ、幸せ。」あたりまえの事が実は一番難しいのかも。日々の小さな幸せ、大きな喜びに感謝感謝です。

All About で興味あるテーマ:健康グルメ・レシピアート・日本画

今後の予定
展覧会名:手の上の渺渺展
会期:2009年2月8日(日)~3月8日(日)
会場:湯島・羽黒洞

 


制作の視点

自然の凄さ、花や植物の原始から続く生命力に憧れと畏敬の念を抱きます。それは、自分の弱さや情けなさを払拭したいと言う無いものを求める欲求、変身願望なのでしょう。特に象徴的な花は吸い込まれそうな魅力、妖しさを持って私に語りかけます。匂い立つように放たれる空気は何者にも代えがたいオーラ。繰り返し原始の時代から生き抜いてきた強さが私を捕えて離しません。少しでも近づきたい、思うまま表現したい。素直にそんな思いを深い精神性と共に描いて行けたらと日々思います。

作品について

マチエールの肌合いや質感にこだわりがあります。 小さい頃、左官屋さんの漆喰やコテに興味があり、かってに壁に押し付けたりして職人さんを困らせました。 土に囲まれた環境で育ったせいか、こねたり、混ぜたりが大好きで、庭中穴だらけにしてよく怒られたものです。 遺跡や障壁画は触覚、嗅覚的にも強く魅かれます。それは土の匂いの影響が一番大きいのかも知れません。 きっと私の根底にある染みついたものに、質感を通して奥深く感じるものがあるのだと思います。
モチーフとの共演で、魅力ある画面作りを目指します。 色は、私の作品には必ず使う白。私の描きたい世界観に白は不可欠。「艶のある白」を試行錯誤中です。 どちらも理屈や、技術だけではない感情や、経験などが生み出すものだと思います。 五感で感じ、表現する。それにはまだまだ時間がかかりそうですが、いつかはっとする瞬間、感触を楽しみに、これからも研究し続けたいと思っています。

松崎有希子
「蒼」145.5×97.0cm 2008年

行きたい国

14年前に初めて海外旅行をした、ギリシャにもう一度行ってみたいです。オリンピッ クの時も叶わなかったので。 あの頃は比較的安全で夜も平気で散歩も出来ました。 ギリシャはびっくりするほど遺跡が生活に近い!遺跡の仮設トイレの脇に山積みの 土器の欠片。おおらかすぎです。私の好きな遺跡も触り放題。そのおおらかな気質が、私には自分の故郷を連想させ、 こんな遠い国なのに近くに感じる親しみを覚えました。 遺跡の上で昼寝をしたのもこれまででその一度きり。紀元前のベットは心地よい眠りを誘いました。 ミコノス島で出会った家族。あの娘ももう家庭を持っているかしら。 言葉は全く通じないのに、なんであんなに時が経つまで、楽しかったんだろう。きっと 言葉や習慣なんて、本当は人がわかり会うのに壁になる事ではないんだと思います。 懐かしい国、ギリシャ。今私が必要としている何かがそこにあるのかもしれません。
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