日本画/日本画関連情報

portrait(56)-池田美弥子

日常の景色を通して、道の向こう側、門や垣根の中、玄関や窓の内側を描きたいと思っています。

執筆者:松原 洋一

IKEDA MIYAKO
        

池田美弥子
1963年 新潟県出身
1987年 武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業
その他の情報

階段があるとのぼってみたくなってしまいます。今、マンションの3階に住んでいますが時々用もないのに8階(8階建てなので)までのぼってしまいます。全国各地にある「展望台」や「○○タワー」制覇を目指した日もありました。

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◇制作の視点

日常の景色を通して、道の向こう側、門や垣根の中、玄関や窓の内側を描きたいと思っています。それぞれの家と家との距離、窓と窓の遠さ、茂った垣根、手入れをされた花々、庭に置かれた日用品が一軒の家の、一つの家族のあり方をあらわしているように思います。その中に一人の人間の生活があり、歴史があり、複雑に入り組んだ心があるのではないでしょうか。その心の内側を描きたいと思っています。
◇作品について

子供の頃、「すぐ隣に寝ている妹がとても遠くに見える」という瞬間があリました。そんなに遠くにいるはずはないと思って手を伸ばすと妹はすぐ近くにいて、暖かな腕に触れることができるのです。
長じて読んだ何かの小説にそれがヒステリーの一種だと書かれていました。医学的な真偽はわかりません。今はもうそんな奇妙な感じを抱くことはありませんが、「方向音痴」と同じように「距離音痴」というのがあるのではないかと思います。鳥瞰図的な視点から風景の構図を作っていますが、それも「距離音痴」の「賜物(?)」かもしれません。

「海で生まれる」60.6×60.6cm
◇いま関心のあること

11月末から開催予定のグループ展(於佐藤美術館)の準備をしています。「万様種子(ばんようしゅし)― 絵とはなと妖怪と―」という展覧会で、日本画作品と、いけばな草月流の作家たちや環境問題をテーマに活動している造形作家の作品とを同一空間に展示しようという試みです。 違った分野で活動をする7人の作家がそれぞれの持つ主張やこだわり(=種)を展示会場に蒔きます。
私は、人と人はどのようにして近づき、どのような関係を築いているのだろうか、私の作品は見る人とどのような関係を作っているのだろうかと考えながら、作品を展示したいと思っています。
会期中、他の作家(出品作家全員ではありませんが)とともに来館者の皆様をモデルにクロッキーをし、出来上がったものを作品の一部に張り込んでいこうというイベントを用意しています。参加者の中には肖像画を描くことをライフワークにしているものもいてかなりの腕前です。描いてほしいとお思いの方はぜひ佐藤美術館においでください。
「眺めるだけの絵」の一部にぜひ「参加」してみませんか。詳しい実施日は後日ネットを通じてお知らせします。ご期待ください! http://u-go.to/miyako/



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