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更新日:2005年02月24日

週刊【山田真巳エッセイ】(最終回)カルの意味− そして2006年日豪交流年に向けて

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連載「風を食べて飛び続ける鳥」は今回で終了します。最終回のテーマ「カル」は、過去も未来も前世も来世もすべて輪のように繋がっているという意味合いのヒンディー語です。そしてこの言葉のように新たな展開が…

文章:山田真巳
YAMADA MASAMI
         1996年~ インド ニューデリーに在住

左は「ハス」(クリックで拡大)
古代エジプトの世界最古の創世期神話に、初めに水があり、その中からハスの花が咲 き出し、その花の上に太陽神が生まれたとある。ヒンドゥー教ではハスの花から世界 の創造神、梵天(ブラフマー)が生まれたそうだ。観音様もハスの花の御出身。ちな みにハスはインドの国花だ。

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山田真巳略歴
    
カルの意味

インド暮らしも数年たって、少しはヒンディ-語が判るようになった。“カル”は “明日”という意味に使われている。ところがインド人とカルの約束をしても破られ ることが頻繁にある。こんな時、決まって「ノープロブレム。カル」と言われ、約束 をどんどん先延ばしされてしまう。まあ悠久の国インドだから、と半ばあきらめてい た。そんなある日、インドの高名な宗教学者R博士にお会いした。僕は「インドで “カル”という言葉の意味は“明日”ではなく“未来”という意味でしょう」と申し 上げた。ところが博士は真顔で、「山田さん、“カル”は明日や未来だけじゃない。 “来世”の意味もあるんですよ」。この世で果たせなかった約束は、また生まれ変 わった時に果たせば良いではないか、と言うことらしい。私は皮肉を込めて、大げさ に“未来”と言ってみたのだが、“来世”と言われてはもう返す言葉もない。博士は 僕に追い討ちをかける様に「“カル”には又“過去”という意味もあるのだ」、と付 加えた。つまり過去も未来も、前世も来世もすべて輪のように繋がっているのでしょ うね。いやインドは本当に哲学の国ですよ。


「吉祥天(ラクシュミー)」(クリックで拡大)

世界創造神のヴィシュヌの奥方であるラクシュミーは、ハスの花の女神(パドミニー) とも呼ばれ、総ての生き物や物体を生み出す母神でもある。物質的世界の幸運の象徴 だ。お金は幾らでも好きなだけ手から吹き出せるし、水も滴る究極の美女だから、皆が憧れるのも無理はない。


    

※今回を持ちまして連載エッセイ「風を食べて飛び続ける鳥」は終了させていただきます。ご愛読ありがとうございました。 次ページにあとがき-連載ご愛読の御礼、そして2006年日豪交流年記念プロジェクトに向けて

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