文章:松原 洋一(All About「日本画」旧ガイド)
琳派展VII「若冲と琳派」展は、昨年12月の大阪高島屋を皮切りに、東京、横浜、名古屋の高島屋を巡回した細見コレクションによる「若冲と琳派」の里帰り展です。
近年人気が高まり、熱心な愛好家も多い伊藤若冲の作品でパンフレットにも使われた「雪中雄鶏図」を、あたらめて作品解説とともにご紹介します。
琳派展VII「若冲と琳派-きらめく日本の美-細見美術館コレクションより」
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「雪中雄鶏図」伊藤若冲 江戸中期(クリックで拡大)
雪の積もった冬の日、地面に残った餌を探す雄鶏が描かれている。若冲ははじめ狩野派につき、宋元明の中国絵画を独学し、さらに実物の写生を行い、独特の個性あふれる画風を形成した。若冲は鶏を実際に飼い、繰り返し描き続けたが、本図では虫をついばむ鶏という伝統的なポーズを踏襲している。竹は、まっすぐに節目正しく生長して、四季を通じて青々と茂ることから、四君子の一つに数えられる。しかし、本図の竹は、節でジグザグに折れ曲がって絡み合い、奇妙な姿で描かれている。ホイップクリームのような雪が積もっているが、竹に絡みつく粘着質な雪にも見え、何とも不思議である。さらに墨で描いた草一本ずつにも雪が積もっており、細部までこだわる若冲の性格まで読み取れそうな表現といえよう。本図は、字の「景和」を署名に用いており、若冲と名乗る以前の作であることを裏付ける。「動植綵絵」に見られる超現実的な表現が、すでにこの頃から準備されていたことをうかがわせる作品である。(細見美術館)
※伊藤若冲関連書籍情報
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展覧会の趣旨
伊藤若冲は江戸中期に京都で活躍し、青物問屋の主人から奇想の画家へ鮮やかに
転身後、85歳で生涯を終えるまで精力的に活動しました。あらゆるものを観察し、
描き、そして内から溢れる力、生命力をも表現しようとしたと言われています。
琳派は江戸時代の京都や江戸を舞台に華やかに展開しました。暮らしの中の美術
として屏風や掛け軸等に用いられ、美しい季節の移ろいやおもしろみが表現
されています。
雅趣を異にしながらも、ともに芸術性と人気の高さを誇る「若冲」と「琳派」の
コラボレーションは、江戸美術を豊富に有する細見コレクションならではのものです。
展覧会の概要
| 展覧会名 |
琳派展VII「若冲と琳派-きらめく日本の美-細見美術館コレクションより」 |
| 主催 |
細見美術館、毎日放送、京都新聞社 |
| 後援 |
京都府教育委員会、京都市教育委員会、NHK京都放送局 |
| 会期 |
2004年9月17日(金)~12月26日(日) |
| 休館日 |
毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日) |
| 開館時間 |
午前10時~午後6時 |
| 入館料 |
一般 1000円(800円)/学生 800円(600円)※( )内は20名以上の団体料金 |
| 会場 |
細見美術館京都市左京区岡崎最勝寺町6-3 TEL 075-752-5555
http://www.emuseum.or.jp/ |
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