旅行積立

役立つ！ 旅行積立基礎知識

夢の海外旅行―――。その資金準備に役立つのが旅行積立です。旅行積立のしくみは百貨店の友の会によく似ています。銀行に積立預金をするよりも利率がよく、計画的な旅の資金準備ができるのが特徴。旅行積立のしくみや種類、賢い選び方、注意点などを特集します。

旅行積立とは

旅行積立とは、おもに旅行会社や航空会社など企業が、お客様から積立金を一時預かり、それを運用して、満期を迎えたとき、元本にサービス額を足した額を、旅行券などで償還するものをさします。特定の商品、諸事情を除いては、現金で満期償還・返れいをすることはなく、旅行券などの有価証券類で受け取るのが一般的です。

旅行積立には、月払いタイプと一括前払い（一時払い）タイプとがあります。例えば「来年予定しているハネムーンに」ということで、資金が揃い、かつ使途目的が決まっているのであれば、まとまった額を一括で預けたほうが利率もよいので、一括前払いタイプを選ぶとお得。また、「2年後、定年退職をしたら妻とヨーロッパへ」ということなら、月払いタイプを選んで、コツコツ積み立てるのも夢があってよいでしょう。「年に一度は家族で海外旅行がしたい」というファミリーにも、支持されているのが旅行積立です。

旅行積立の月払いには、さまざまなコースがあります。ひと月3000円で12回というコースがあれば、予め目標額を定めて、逆算で割り出された額を月々積み立てるものもあり、とても計画的。また、満期日や満期額を定めずに、フリープランで積み立てるタイプのものもあります。目的や用途、利用時期、満期時の利用条件などにあわせて、積立先やコースを決めるとよいでしょう。

旅行積立がお得な理由

旅行積立は、百貨店友の会や互助会の冠婚葬祭積立などにしくみがよく似ています。使いみちや利用の範囲は限られますが、銀行の普通預金口座にお金を預けるよりも利回りがよいのが特徴で、目的にあえば大変お得。ここでは、あえて解りやすいように“利回り”という言葉をつかいましたが、積み立て先は金融機関ではないのが一般的ですから、利息のことをサービス額などと呼びます。大切なお客様のために、積立金をお預かりした企業が運用をして利益を還元させるサービスを行っているから、旅行積立はお得なのです。

旅行積立の選び方

旅行積立の積立先を選ぶのは、定期預金を組むときの銀行選びによく似ています。頻繁に利用する旅行会社や航空会社であることはもちろん、サービスの具体的な内容を比較検討することも重要です。近ごろでは金融機関と旅行会社の関連企業が組んで、満期時の受け取り方法を、現金か旅行商品の購入権かに選べるものも登場しています。計画性を心がけても、人生は何が起こるかわかりません。そうした需要にマッチした新商品も開発されているので、よく調べるとよいでしょう。

また、積立先によって利用条件も異なります。旅行積立で気をつけたいのは、（1）無理のない積立計画を立てること、（2）サービス額率（利率）にまどわされないこと。これは利率計算の方法がそれぞれ異なるから。また（3）積み立てる先の会社の信用度を見極めることも重要です。そして（4）契約時には約款をよく読むこと。（5）クーリングオフの制度があれば、なお安心です。