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<第1回>平積み本、大解剖! 『声に出して読みたい日本語』

書店によく似たタイトルでずらりと並ぶ日本語本。ブームの先駆けとなった本書は、続編も発売され、ロングセラーの気配。ところで、今、なぜ日本語?

執筆者:梅村 千恵


『声に出して読みたい日本語』

斎藤 孝
草思社 1200円

この本を買いたい!



■日本語本ブームならぬ語学本ブーム?

グローバリゼーションの反動としての一種の懐古主義か?言語の乱れに対する良識ある反撃か?「日本語本ブーム」の要因はさておき、書店をグルッと見回してみると、あることに気づきませんか?日本語本のコーナーとそう離れていないところに積み上げてあるのは、そう、『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本』などの英語本である。こちらも、やはり、ちょっとしたブームなのだ。もちろん、日本語本を買う層と英語本を買う層が同じだとは思わないが、ちょっと乱暴に言い切ってしまうと、「日本語」というより「語学・本」(正確に言うと、日本語と英語のセット)全般が売れているのだ。しかも、語学本ブーム、初めてではない。『日本語練習帳』と『これを英語でいえますか?』がほぼ同時期に話題を集めたことを記憶している人も少なくないだろう。
ブームは繰り返されている。

ということは、うーん、もしかすると、日本人というのは、かなり語学が好きな人々なのかもしれない。

母国語である日本語を「語学」として学びなおさなければいけない現状に、教育の不備だとか(これは英語も同様か)、とかくネガティブな解釈をする人もいるだろう。しかし、「語学」として学ぶだけの深さと奥行きのある言語を母国語にもっているということは、やはり、幸福で贅沢なことなのではないだろうか。
そう考えると、日本語本のブームの根底には、「日本語の底力」とでも言うべきものが存在するように思えてならない。

さて、ブームの先駆けとなった本書の「底力」とは?
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