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落語のオチとは? オチの種類を解説!

落語は「落とし噺」と呼ばれるため、どんな演目にもオチがあると思われますが、オチがない落語も数多くあります。落語=落し噺ではなく、噺にオチがなくても落語家が演じればすべて落語なのです。落語のオチにもいくつかのパタ-ンがあり、その種類ごとに分類されます。

執筆者:清水 篤司

落語のオチとは?

落語のオチとは?

落語のオチとは?

落語はマクラ、本編、オチの3つで構成されています。最後にどっと沸かせて高座を降りていく瞬間がオチなのですが、そのオチの部分を噺を落とすとは言いません。

舞台や高座を落とすとは言わずに「下げる」と言います。また落語のオチの部分をオチとは言わずに「サゲ」と呼びます。「落とす」「落ちる」では客商売では縁起が悪いので、下げると呼ぶようになったと考えられます。
 

オチのない落語の演目もある

すべての落語の演目に面白おかしい、オチがあるとは限りません。面白くないオチどころか、オチ自体がない演目もあります。落語=落し噺(オチがある噺)ということではありません。

落語の定義は、落語家が話すことがすべて、落語であるといえます。つまり、高座上でお客さんに対して、世間話をしても、それは落語なのです。
 

オチの種類

落語のオチにもいくつかのパタ-ンがあり、その種類ごとに分類されます。しかし、この噺のオチは絶対にこのオチとか、このオチはこの分類になるとか明確に分けられるものではありません。

あくまでも、落語を分かりやすくするための目安です。なんせ、落語ですからね。そこら辺の分類はかなりユルくなっています。演じる噺家自身もオチの分類を気にしながら、演じることもありませんので。

■逆さ落ち(さかさおち)
噺の結末で、冒頭のときより、物事が反対の結果になってしまったり、立場が逆転してしまうことです。代表的な演目は子供にせがまれて買った凧で親の方が夢中になってしまい、子供に呆れられる「初天神」。

■仕込み落ち(しこみおち)
落語のオチの醍醐味を最も味わえる、オチです。前半で、オチに対する複線を含ませながら、噺を進め、後半に前半で仕込んだ複線を踏まえつつ、オチに向かいます。代表的な演目は「時そば」「壷算」など、代表的な落語の演目の多くが、この仕込み落ち。

■仕種落ち(しぐさおち)
噺の結末の仕草ですべてを語る、演技力が必要なオチ。最後、オチをどういった形で持っていくかが、その噺家の力量が問われます。代表的な演目は「死神」。この「死神」オチの分類は仕種落ちで統一されるのですが、演じる個々の噺家によって、その仕草が様々あるというちょっと変わった演目です。

■他のオチ
一瞬考えてから、にやりとさせられる「考えオチ」。くだらない駄洒落がオチになっている「地口オチ」。最後の一言である意味、強引に途端に結末に持っていく「途端オチ」。あっと驚く! 意表をつく物に見立たり、勘違いででおこる面白さで落とす「見立てオチ」。

他にも色々と分類されてます。また、噺家独自でオチの種類を分類研究している方もいますので、みなさんも調べてみてはいかがでしょうか?

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