毎日のお助けレシピ/調理テクニック

蒸し物に最適な火加減とは?美味しく作るためのコツや蒸し器

蒸し物を上手に作るための最大のコツは「火加減」です。作る料理にあわせて火力を調節して火加減を使い分けることが大切です。今回は、蒸し物をおいしくするコツや、蒸すメリット、蒸し器についてなど、「蒸す」に関する基本的な知識などを紹介します。

大石 寿子

執筆者:大石 寿子

毎日のお助けレシピガイド

<目次>
 

蒸し物を美味しく作るポイントは火加減

蒸し料理は火加減が美味しくなるコツ

蒸し料理は火加減が美味しくなるコツ

蒸し物は焦げる心配はないものの、蒸し過ぎは禁物です。作る料理によって、火力を調節して火加減を使い分けることが大切です。
 
強火で蒸し上げる「栗入りお赤飯」

強火で蒸し上げる「栗入りお赤飯」


■強火で蒸すもの
魚、肉、シューマイ、まんじゅう、蒸しパン、赤飯、芋類、ちり蒸し、酒蒸し
※蒸気の立った蒸し器に入れて、一気に蒸し上げる




 
強火で2分、弱火で12~15分蒸す「あさり茶碗蒸し」

強火で2分、弱火で12~15分蒸す「あさり茶碗蒸し」


■弱火で蒸すもの
茶わん蒸し、卵豆腐
※蒸気が立った蒸し器に入れ、初めだけ強火で、あとは弱火にして15分~20分蒸す



 

おいしく蒸すコツ

さつまいもは水から蒸す

さつまいもは水から蒸した方が甘味が増す

  • 蒸気が十分立ってから材料を入れる
  • (弱火で蒸す料理でも)材料を入れたら温度が下がるので、蒸気が立つまで強火にする
  • 一定の温度を保つために、弱火にしたり、蓋をずらして温度調節しながら蒸す
  • 湯が足りなくなったときは、水ではなく沸騰湯を足す
  • 2段、3段になってる蒸し器は、蒸し物によって、途中で上段と下段を入れ替えたり、使い分けたりする
  • 水は沸騰すると体積が増すので、中敷の下1~2cmまでが限度(湯が多すぎると下になってる部分が水っぽくなる)
  • 蒸している途中で味付けることは殆どないので、味付け、下ごしらえを十分にする(調理の途中で味をみて調味料を足すことができないので、ごまかしがきかない)
     

蒸すメリット

旨味たっぷりの蒸し汁を利用してスープを作ってしまう「豪快蒸し料理」

旨味たっぷりの蒸し汁を利用してスープを作ってしまう「豪快蒸し料理」

  • 栄養や風味をそこなわない
  • 脂やアクが落ちる
  • 形が崩れにくい
  • 液体のものでも、容器に入れれば、蒸すことができる
  • 材料から水分が出にくい
  • ものによっては、旨味と栄養を含んだ蒸し汁を、利用することもできる
  • 蒸し水がなくならない限り、焦げる心配がない(水がなくなると鍋が焦げてだめになる)
     

簡単な蒸し物を作ってみよう!もやしと豚バラ肉の重ね蒸し

材料(1人分)
もやしと豚バラ肉の相性バツグン!

もやしと豚バラ肉の相性バツグン!

もやし………130g
豚バラ肉の薄切り………50g
酒………小さじ1
練り辛子………適量
醤油………適量

作り方
  1. もやしはサッと洗って水気をきる。
  2. 盆ザルにもやしを盛り、もやしを覆うように豚肉をのせ、豚肉の上に酒をふりかけ、蒸気の上がった蒸し器に入れ、強火で5~6分蒸す。
  3. 辛子醤油かポン酢醤油で食す。仕上げに、肉の上に青ねぎの小口切りを散らしてもよい。
 

蒸し器について

蒸し物は、水を沸騰させて、出てくる熱い蒸気で材料を加熱する調理法なので、材料のまわりに蒸気がたっぷり充満できる空間がある、大きめの蒸し器が良いです。

中華せいろは蒸し物に適してる道具です。蓋も編んだ竹なので、しずくが落ちず、蒸気が適度にもれるため温度調節がよくできて、すが立ちません。中華せいろは一回り大きい中華鍋にのせて使います。
 

蒸し器の代用品

蒸し器にもなれば、野菜やパスタを茹でるのにも便利に使える鍋

蒸し器にもなれば、野菜やパスタを茹でるのにも便利に使える鍋

  • 鍋に少し水をはり、材料を深皿に入れて蓋をして蒸す
  • ケーキクーラーや金属製の鍋敷きを中敷代わりに鍋底に敷いて使う
  • 深鍋に耐熱性で少し深さのある小鉢を入れて、その上に材料をのせた金ザルをのせて蒸す
  • 中華鍋に耐熱性の皿を入れ、その上に盆ザルにのせた材料を入れ、布巾と蓋をして蒸す(布巾に火が着かないように、ザルが焦げないように注意する)
 

蒸し方の種類

蒸しナス

蒸しナス

■素蒸し
下準備したものをそのまま蒸すこと。さつまいも、かぼちゃ、なすなどに用いる。
 
下ごしらえをした魚を皿ごと蒸し上げる「白身魚の姿蒸し」

下ごしらえをした魚を皿ごと蒸し、タレをかけて仕上げる「白身魚の姿蒸し」

■塩蒸し・酒蒸し
塩や酒をふりかけて蒸すこと。あさり、あわび、えび、たい、かれい、鶏肉などを蒸すときに用いる。
 
1人分用蒸篭に材料を盛り付け、大きな蒸し器で蒸した「蒸篭蒸し」

1人分用蒸篭に材料を盛り付け、大きな蒸し器で蒸した「蒸篭蒸し」

■器蒸し
そのまま食卓に出せる茶碗、皿、鉢などの器に調味した材料を入れて蒸すこと。茶碗蒸し、れんこん蒸し、かぶら蒸しなどはこの蒸し方をする。
 
塩したハタハタを下仁田葱でおおって蒸した「塩魚の葱蒸し」

塩ハタハタを下仁田葱でおおって蒸した「塩魚の葱蒸し」

■その他
さくらの葉やささの葉、しその葉などにくるんで蒸して、葉の香りと風味を材料にうつす蒸し方。甘だいの桜蒸し、塩魚のネギ蒸しなどがある。




 

「す」が立つとは?

すが立ってしまった茶碗蒸しには「あん」をかける

すが立ってしまった茶碗蒸しには「あん」をかける

茶碗蒸し、卵豆腐、カスタードプリンなどを作るときに、火加減が強すぎたり、加熱時間が長すぎることによって、細かい泡のような穴があいてしまうこと。

■茶碗蒸しに「す」が立ってしまったときの回避方法
  • 少しぐらいのすなら、絹サヤやみつばを散らしてごまかす
  • 銀あん(だし汁を薄色、薄味で調味して片栗粉でとろみをつけたもの)をかける
  • 卵豆腐は切り分けて器に盛り付けてから、ゆでた蕎麦やそうめんを飾る
  • 器に盛り付けた卵豆腐に、すりおろした長芋に卵白を混ぜたものをかけて蒸す

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

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