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更新日:2005年11月08日
12/10[土]~公開『ある子供』はダルデンヌ兄弟監督作であり2005カンヌ国際映画祭にて2度目のパルムドール大賞を受賞した。来日会見レポも近日掲載【来日写真掲載】
痛みを知ること、やさしくなること。
『ある子供』(2005)[L' Enfant][The Child]
<<子供を産んでしまったカップル—18歳のソニア(デボラ・フランソワ)と20歳のブリュノ(ジェレミー・レニエ)。しかし父としての自覚まったくなく、定職を持たず、窃盗を繰り返していた。が、ついに自分の息子を売買してしまう誘惑に…。>> で、そんな<外見とっちゃん、内面ぼうや>なブリュノは、<ピーターパン症候群>というのとは、またちょっと違う。父になった自覚をもてないまま、もがくわけでもなく漫然と生きている。観ている側は「生後9日なのに、そばでタバコをふかすな」「乳母車にのせるのはいいけど…」とハラハラしどうしだ。それゆえ、どんな環境で育ったのだろうか?とても背景が気になる。中盤になると母親がチラリと登場するのだが、その様子も何やら普通ではない。息子のしょうもない願いを、訳もきかずにあっさりと引き受ける。そこで<愛>を知らないブリュノを理解(したような気になり)、なるほど、と思う。警察にも、誰にでも、自分を守るために<言い訳>する。その才能も、『よくもまあ』といった返答が次から次に飛び出す—こういったブリュノの信じられられられない(←これっくらい理解できない)行動は、『世の中そんなに甘くない』と思わせもするのだが、はたしてそれは彼個人だけの責任によるものなのだろうか?大人になりたくとも、社会は育ててはくれない。 ソニアを演じたデボラ・フランソワは映画初出演にして大役を務め、カンヌ映画祭のレッドカーペットを歩む事になったラッキーガール。ソニアは18歳で母になったものの、しばらくはブリュノにつられ、恋からかけ離れられずにいた。だが、ブリュノのある行動で<母として>目覚めるのだ。そのことにより、<赦し>の心も身についていったのであろう。あの涙を、私はそう受け止めた。 ジミー役の赤ん坊は21人—全員クレジットされていて気が付いた南。赤ん坊への授乳シーンは一度しかなく。それが現実、だよね。でもって君らはいったいいつお風呂に入るんだ?と考えていると、「臭う」のはブリュノ自身じゃないの?なんて思っている時、ブリュノが心底、笑う。その笑い声はまるっきり子供なのだ。ある子供とは、そのことなのかもしれない、とココで気が付く。<大人への階段>が見えなくなっている若者にも見てもらいたい。[2005/10/3]
2005カンヌ国際映画祭パルムドール大賞受賞作 |
『ある子供』 |
『ある子供』ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督来日会見
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(執筆者:南 樹里)
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