脱税による申告漏れの是正手続きとは
今回の鳩山由紀夫・邦夫両氏が実母からの資金提供を受けていた事案の是正手続きは一般的に以下のようなものになると推測されます。
贈与税の計算期間は一暦年、つまり、1月1日から12月31日までに110万円(贈与税に基礎控除のワク)を超える贈与があった場合に、その翌年の2月1日から3月15日までの間に税務申告と贈与税の納付を行なわなくてはなりません。
今回の事案では2008年までの5年間に贈与があったとされているので、まずは一暦年ごとに贈与の金額を確定し、贈与税の申告および納付(本税分)を行なうこととなります。ここまでの本税分の税務手続きは本来、申告すべきものを申告していなかったので期限後申告となります(鳩山首相はこれを「修正申告をする」と発言しておりますが間違った使い方です)
※図表1参照
「まったく知らなかった」と「知っていて行っていた」で違ってくる税務上のペナルティ
前者のように、「まったく知らなかった」ことによる申告漏れは、通常、ただ、単に申告書の提出をしていなかった(つまりは無申告)ということによる無申告加算税(15%または20%)あるいは、税額を過少に申告した(つまりは過少申告)ということによる過少申告加算税(10%または15%)というペナルティを受けます。
一方、「知っていて行っていた」場合には、無申告加算税や過少申告加算税に代えて、重加算税(35%または40%)が適用されることとなります。重加算税が適用される要件としては、事実の全部または一部を仮装、または隠蔽し、その事実に基づき申告書を提出し、または申告書を提出しなかった場合であるとされています。
※図表2参照
一般的には、二重帳簿の作成・簿外資産への売上計上の除外・帳簿や書類に偽りの記載・単なる名義人への資金の移動による資産隠しなどが過去の事例として扱われているところです。
さらに偽りその他不正の行為が悪質な場合には懲役・罰金などの刑事罰を併課する場合もあります。これを査察制度といいます。
「まったく知らなかった」とか「秘書が勝手に行なったこと」とインタビューには、このようなワケもあるのです。
図表:税務手続きの流れ