文章:田中 徹夫(All About「Soul・R&B・HIP-HOP」旧ガイド)
(3)『 スーパーフライ (SUPERFLY) 』
(1972年)
監督=ゴードン・パークス・ジュニア
音楽=カーティス・メイフィールド
主演=ロン・オニール、カール・リー
金、女、クスリ、車、家…あらゆる贅沢を手に入れたドラッグの売人。
だが彼の心は何かに追われ続ける。
「アリ地獄から抜け出して自由になる」
「それで幸せ?」
「さあ、どおかな。だが幸せにはなれねえ、昔のままじゃ」
そして売人家業から足を洗う決心をする。
しかし、引退するのも簡単には行かぬ。やがて彼らはドラッグ社会を裏で操っている汚職警官に脅され追われる事となる……。
70'sブラック・コミュニティーを覆うダークサイドをメインテーマに描いたハード・サスペンス。
この映画の見どころは、勿論ブラック・コミュニティーの影の部分を描いた社会派ストーリーにもあるが、それにも増して芸術的感覚に跳んだ映像アートも大きな魅力の一つとなっている。
4分割、6分割などのスチール画像を駆使しシーンの緊迫感を高める演出や、ストップ・モーションを駆使し迫力を高めるアクション・シーンなど、アーティスティックな映像が存分に楽しめる。
また70's のファッション&カルチャーに関わる側面も作品全体に演出されている。
そして作品全体に流れるのはカーティス・メイフィールドの名作“Super Fly”(本人も演奏シーンで出演)。
音楽、カルチャー、アートetc…、ブラック・カルチャーを多角的に学べるエンターテイメントな作品としても楽しめる。
しかし、例えエンターテイメントと言えども、ブラック・コミュニティーに巣食う出口の無い邪悪な現実を描き出す事も忘れてはいない。
「足を洗う」
「何から???」
「ヤクの取引さ」
「ヤクのやりすぎで頭がおかしくなったのか? この生活は? 8トラのステレオにカラー・テレビ。ヤクは毎日キメ放題これぞアメリカン・ドリームだ。そうだろう? 違うか? やめられねえよ。ヤバい商売さ。だが俺たちにゃこれしかねえのも現実だ」
この現実を知りえなければブラック・ミュージックの本質もまた見えてこないということか……。
『 SUPER FLY 』 サントラ
disk1
1.Little Child Runnin' Wild 2.Pusherman 3.Freddie's Dead 4.Junkie Chase (Instrumental) 5.Give Me Your Love (Love Song) 6.Eddie You Should Know Better 7.No Thing On Me (Cocaine Song) 8.Think (Instrumental) 9.Superfly 10.Freddie's Dead (Theme From 'Superfly') (Single Mix) 11.Superfly (Single Mix)
disk2
1.Ghetto Child (Demo Of 'Little Child Runnin' Wild') 2.Pusherman (Alternate Mix) 3.Freddie's Dead (Instrumental Version) 4.Junkie Chase (Instrumental) (Full-Length Version) 5.No Thing On Me (Cocaine Song) (Instrumental Version) 6.Militant March 7.Eddie You Should Know Better (Instrumental Version) 8.Radio Spot #1 9.The Underground (Demo) 10.Check Out Your Mind (Instrumental Version) 11.Radio Spot #2 12.Curtis Mayfield (On Superfly Film & Songwriting)