文章:田澤 仁(All About「ロック」旧ガイド)
AC/DCの8年ぶりの新作が大ヒットを記録している。アメリカ、イギリスのチャートでトップを獲得したのをはじめ、なんと世界29カ国でトップになっているというのだから驚きだ。もちろん日本でもトップに輝いた新作『Black Ice』を紹介しよう。
30年以上スタイルの変わらないAC/DC
長い間活動し続けているバンドは、そのサウンドがいつの間にか変わってしまっていることもある。ドゥービー・ブラザースやジャーニーはメンバーチェンジが契機となってサウンドが変わり、それが大ヒットに結び付いてきたし、毎回試行錯誤しているかのようにアルバムごとにサウンドが変わるTOTOのようなバンドもある。
それとは逆に、長い間まったくサウンドが変わらないバンドもある。以前紹介したモーターヘッドもそうだし、AC/DCもそのスタイルがまったく変わらないバンドだ。マルコムとアンガスのヤング兄弟二人のギターによる粗っぽく軽快なリフ、力強く突き進むようなタテノリのビート、そして絞り出すようなしゃがれた声でシャウトするヴォーカル。AC/DCはメンバーが変わっても、デビュー以来30年以上、このユニークなスタイルを貫き通してきた。
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| ブライアン・ジョンソンが加入して作られたAC/DC最大のヒット作『Back In Black』 |
とくに驚くのは、リード・ヴォーカルが交代してもほとんど雰囲気が変わっていないことだ。AC/DCの出世作と言われている1979年の『地獄のハイウェイ(Highway To Hell)』は、今のAC/DCサウンドが確立されたアルバムとも言われていて、アメリカのチャートで最高17位を記録している。しかしその次のアルバムの制作中に、ヴォーカルのボン・スコットが急死、急遽新ヴォーカリストをオーディションで選んで『Back In Black』を完成させているのだが、そこで選ばれたのが、やはりしゃがれた声のシャウトが武器のブライアン・ジョンソンだったのだ。そしてこの『Black In Black』が大ヒット、世界的なバンドとしての地位を得たAC/DCは、今もそのスタイルを貫き通しているのだ。