文章:田澤 仁(All About「ロック」旧ガイド)
この秋、東京の六本木では“ニュージーランド・パラダイスウィーク 2007”というイベントが開催され、ニュージーランドのミュージシャンも多数来日した。その中でもひときわ輝いていたのが、ニュージーランドが誇る“ピュアヴォイス”、ヘイリーだ。
10代でデビュー、澄んだ歌声で世界を席捲
2003年にアルバム『ピュア』で全世界デビューを果たして以来、世界中で注目を集めているヘイリー・ウェステンラ。日本でのデビューもこのアルバムだが、そこに収録されていた「アメイジング・グレイス」がドラマ「白い巨塔」のテーマに使われ、一躍有名になったから、ヘイリーの名前、そして歌声を知っている人も多いだろう。その透き通るような美しい歌声がドラマの持つ重いテーマをより荘厳に彩っていて、とても印象的だった。
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| ヘイリーの世界デビュー作『Pure』 |
驚くのは、ヘイリーは現在まだ二十歳ということだ。つまりこのデビューアルバムが制作されたときのヘイリー、すなわちあの「アメイジング・グレイス」を歌っているヘイリーは、なんと16歳なのだ。16歳にしてこの堂々たるパフォーマンスというのもたいへんな驚きだが、もっと驚くのは、母国ニュージーランドでのデビューはなんと14歳の時なのである。彼女の経歴を調べてみると、幼い頃よりピアノやバイオリンのレッスンを受け、ミュージカルの舞台にも数多く出演していたというから、10代でも経験豊富だし、以前から音楽的才能も高く評価されていたようだ。13歳の彼女が作ったデモ・アルバムがユニバーサル・ニュージーランドの目に止まったのも、当然といえるかもしれない。
世界デビューアルバム『ピュア』は、あのジョージ・マーティンが作曲とアレンジに参加していたことからも注目を集めた。ジョージ・マーティンといえば、ビートルズの多くのアルバムでプロデューサーを務め、“5人目のビートルズ”と呼ばれたほどの伝説的プロデューサーだ。この『ピュア』にはジョージ・マーティンが書き下ろしたナンバーが収録されているだけでなく、「アメイジング・グレイス」のアレンジも彼の手によるものだ。そして『ピュア』をリリースしたレーベルが、あのビートルズをオーディションで不合格にしたことのあるデッカだというのも、なにやら不思議な縁を感じさせる。
こうしたことで、このアルバムは当初から注目を集めていたが、世界的なヒット作になったのは、やはりヘイリーの美しくはつらつとした歌声、卓越した歌唱力があるからだ。ニュージーランドに伝わる伝承歌やクラシック、ポップソングを、あくまで美しく優しく、そしてときに力強く歌う彼女の声には自然に引き込まれてしまうし、ティーンエイジャーとは思えないある種の重みを持った歌声は、聴いているととても癒されるようだ。
ヘイリーの来日公演の様子は
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