文章:常木 晴亮(All About「J-POP」旧ガイド)
1st.アルバムらしからぬ1st.アルバム
スキマノザラシ 『キイ』
ROCKバンドの1st.アルバムは「速い、恐い、青い」のが普通で、そこにティーンエイジャーが共鳴したりするわけですが、スキマノザラシの1st. 『キイ』 はそれが少ししか当てはまらないアルバムだ。
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スキマノザラシ 『キイ』
【収録曲】
- アゲハ
- 傷
- 蒼白の子供
- レンズ
- 月光
- スネイクリバージャンプ
- ミルキーウェイ
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テンポの「速い」曲は確かにあるけど性急さは感じられない。「恐い」のはジャケットを含めて結構あるな。怖い曲もあるし。
そして予想に反して全くないのが「青い」部分だ。「傷」の様に激しい曲が入っているにもかかわらず、まるで全てがモノクロームに塗り潰されてしまったかのような静けさが全編に漂う。
1曲目はなんと9分もあるスロー・ナンバーの「アゲハ」。これは16歳の子供には解らないだろう。
「みたいなかんじ「ごねさらせ」ブタよ」と歌われる「スネイクリバージャンプ」。こんなの聴いたら16歳の子供はそれをセリフとして吐きたくなって、そういうシチュエーションに身を置いてしまうだろう。
そして大人は「線路の下にへばりついた蝶 雨が強くていまは飛べない」という歌詞(「ミルキーウェイ」)の「いまは」という部分に泣く。
これはもしかしたらとんでもない傑作で、スキマノザラシってもしかしたらとんでもない人達だったのかも。「1st.を出した頃のスキマノザラシ」にインタビュー出来るのは今しかない。そんな機会を逃さない為、京都へ行って来ました。