文章:常木 晴亮(All About「J-POP」旧ガイド)
なんの気無しに手に入れたアルバム にゅわんの『hohoemiてがみ』に、すっかりノック・アウトされてしまった。BAND指向が強い筆者が、こんなに夢中になった女性アーティストは小島麻由美やさねよしいさこ以来だ。
感覚で全てを語る「不思議ちゃん」だったらどうしよう、とか、専門用語バシバシの機材オタクだったらどうしよう、等の危惧はありましたが、とにかく話を聞いてみたいと思い、インタビューさせていただきました。
超自然的ネーミングのたまもの 「にゅわん」
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| にゅわんタケコ |
ガイド:タケコさんの「にゅわん」というアーティスト・ネームは、小山田圭吾の「Cornelius」と同じようなものと考えてよいんですよね。バンブー茂※が解散して、ソロになるにあたって今の名前になったわけですが、なにか由来があるんですか?
にゅわん:本当に何も考えて無くて……名前どうしようかなぁって漠然としていた時に「にゅわん」って思いついて。響きも良いし、意味は良くわからないけどいいかぁ(笑)って。
ガイド:ま、考えてたらこんな名前は絶対出てこないですよね(笑)。肩書きは、シンガー・ソング・キーボーディストということでよいですか。
にゅわん:う~ん、肩書きみたいなものにはこだわりが無くて。楽器も鍵盤しか出来ないからで、ギターが弾ければギターでも、ベースが弾ければベースでもよかったんです。ソロになるまで、曲も書いたこと無かったし。
ガイド:えっ、作曲ってソロからなんですか(「天才ですね」という言葉すら出ない私)。
※ バンブー茂
にゅわんが在籍していた3人組ROCKバンド(1999~2004)。ちなみに当時のアーティスト・ネームは「卍家タケコ」……日常の延長みたいのを無理なく自然に
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にゅわん 『hohoemiてがみ』 使われている二人称がほとんど「きみ」になっている歌詞は、媚びたり威したりしない「対等な2人の」LOVEソング。全13編はまさしく手紙的だ |
ガイド:『hohoemiてがみ』、本当に素晴らしい作品で。dress CafeのLIVE(記事は
コチラ)から帰った夜に聴いてはまってしまったので、私の中では今年のベッド・サイド・アルバム第一位の最右翼なんです。
にゅわん:ありがとうございます。どの辺が良かったですか?
ガイド:トリッキーなところがあまり無くて地に足が着いた歌詞と、音数が少ないのに音響的な方向に行っていないサウンドですかね。お一人で全部やっているのをクレジットを見て知って驚愕しました。
にゅわん:でも、これの前に出したミニ・アルバムが本当に鍵盤と歌のみだったので、それよりは色づけしたかんじなんです。スガッツとか周りのミュージシャンに参加してもらう案もあったんですけど、家でじっくりやりたくて。
歌詞はバンド時代にスゴイ濃密な世界のものをいっぱい書いたので、今度は日常の延長みたいのを無理なく自然にやりたいなって。カフェを回ったプチツアーを去年やって、その中で生まれた歌詞なんですよ。穏やかな日常、当たり前のこととか、ささやかなヨロコビとか、そういうことの大切さ、みたいなことがごく自然に生まれてきたんですね。
ガイド:ヴォーカル録りもご自宅で?
にゅわん:そうなんです。全部。布団と毛布をいっぱい被せた中で歌う、とか。夏に録った曲もあるんですけど(ノイズが入るから)エアコンも付けられないし、汗だくになりながら歌った曲もあるんです。本当はもう半年位早く出せる予定だったんですけど、曲が出来ちゃったりして。全13曲ですけど、これでも削ったんです。
自らの手作りパッケージで、
これぞ真のオリジナル・ソロ・アルバム!
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にゅわん 『hohoemiてがみ』 左上から時計回りに「ジャケット」、「盤(CDR)」、「hohoemiレシピ」、「ブックレット」 |
ガイド:『hohoemiてがみ』は内容もさることながら、その凝ったパッケージも魅力です。これもにゅわんさんのお手製なんですか?
にゅわん:誰かやってくれる人がいたらよかったんですけど。内職ですよ、もう(笑)。だから一度にたくさん作れないんです。これ(ハトの形の穴)もバチンって開ける機械があるんです。
ガイド:そうなんだ!じゃあ、一つとして同じものが無いんですね。
にゅわん:一枚一枚、全部違いますねー。