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更新日:2003年11月30日

ビッグバンド特集

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総勢17人によるジャズアンサンブル。ジャズの持つ魅力を詰め込んだスコアを、迫力のサウンドで楽しませてくれるビッグバンドの魅力に迫る!

文章: 佐久間 啓輔(All About「ジャズ」旧ガイド)


総勢17人で演奏されるビッグバンドの演奏を、皆さんは体験されたことがあるだろうか?ジャズの魅力を詰め込んだスコアをダイナミックに演奏するビッグバンドとは、一体どんなものなのか?聴いて良し、やって良し、老若男女が楽しめるビッグバンドの魅力をさぐる!

※ジャケット写真がAmazon.comにリンクしています。


かつてはお茶の間でも馴染み深かったビッグバンド。テレビのバラエティ番組や歌番組では、ほとんどの番組に専属バンドが入っており、伴奏やら番組のつなぎで大活躍でした。そんな風景を一変させたのが、シンセサイザーの出現。コストのかからないシンセサイザーによって、テレビ業界はおろか、エンターテインメント全てにおいて、オーケストラやビッグバンドの存在価値が問われることになったのです。

ビッグバンドの基本構成は、トランペット4名、サックス5名(アルト2名、テナー2名、バリトン1名)、トロンボーン4名(内バストロンボーン1名)、ギター、ピアノ、ベース、ドラム各1名の計17名。既製品のビッグバンド譜のほとんどがこの構成で書かれています。フルートやクラリネットが書かれている場合は、サックス奏者が持ち替えて演奏することがほとんどなので、その譜面を演奏できるかどうかはサックス奏者のスキルに依存するわけです。

トランペットセクションが担当するのは、鋭いアクセントや派手なラインが中心。ミュートなどを使って特殊な効果を演出することもありますが、やはり音の立ち上がりの良さを活かしたダイナミックな演奏が魅力。ビッグバンドの花形、最も高い音を担当するリードトランペットに、2nd、3rd、4thトランペットがハモリを付けます。アドリブソロを担当するは主に2ndトランペットで、リード同様に耐久力が問われるポジションです。

サックスの場合、リードがアルト、2ndがテナー、3rdがアルト、4thがテナー、それにバリトンサックスということになります。サックスセクションが得意とするのは、緻密なライン。ビバップの難しいラインを、5人が一糸乱れぬアンサンブルで演奏するサックスソリは、ビッグバンドの魅力のひとつ。アドリブソロを主に担当しているのが、リードアルトと2ndテナー。特に2ndテナーはバンドのスター的存在。派手なアンサンブルの隙間にブリブリと演奏する2ndテナーのソロは、見せ所。

トロンボーンセクションの武器は、美しいハーモニー。やわらかい音色で朗々と聴かせてくれるアンサンブルで、他のセクションとのコントラストをつけてくれます。かと思えば、トランペットセクションと結託して、低音部で鋭いアクセントをつけてくる。特にバストロンボーンの最下層でのアクセントは重要なアクセント。注意して聴いてみるべし!

リズムセクションの基本は、ギター、ピアノ、ベース、ドラム。ギターとベースはひたすら4分音符でリズムを刻む、合計10本の弦楽器と言えるでしょう。カウント・ベイシー・オーケストラのギタリスト、フレディ・グリーンがビッグバンドギターの鏡とされていますが、ダイナミックな管楽器のアンサンブルがスパッと切れたときに、何事もなかったかのように淡々と刻まれているリズムが気持ち良い。ピアニストは司令塔。バンドリーダーが主にこのポジションにいるのが頷けます。そしてドラマーがバンドの色づけ役。リズムを刻みながら管楽器のアクセントを強調したり、盛り上がりのお膳立てなど、かなり忙しいポジションです。

スイング時代にショウビジネス界で成功したビッグバンドは、ビバップ期以降、芸術性を高め、踊る演奏から聴かせる演奏へとそのスタンスを変えていきました。その中心的存在であったのがデューク・エリントンやカウント・ベイシーです。最近ではギル・エバンスやジャコ・パストリアスのような新しいスタイルのビッグバンドも人気を博していますが、エリントンやベイシーの人気は衰えるどころか、未だに主流ともいうべきビッグバンドスタイルなのです。

根強い人気が保たれている一方で、ビッグバンドスタイルが発展していないのも事実です。原因はコストの高さ。頭数をそろえるだけでも大変なのに、その上アレンジにもお金や労力をかけるのは至難のワザ。新しいスタイルを次々に打ち出していけるような環境がないのです。バンドによっては、ほとんどノーギャラで運営されているという話を耳にすることがありますが、一度は出来ても、それを維持することが出来ないのです。


ビッグバンド最大の魅力は、やはりその迫力。録音を聴くのではなく、実際に生の演奏を体験してみて下さい。17人のエネルギーが一つになった演奏は、やはり実際に聴いてみるか、演奏してみるのが最高です。

 

(執筆者:佐久間 啓輔)

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