
「マネーで学ぶ英語」オバマやグリーン・スパンなど著名人の発言からマネーと英語を学べるという一石二鳥な連載。自然と記憶に残るようなフレーズと分かりやすい解釈つきだから、マネーと英語を同時に学ぶなんて難しい!なんてことは心配無用。
マネーで学ぶ英語
更新日:2009年12月11日
世界三大投資家にも数えられるジョージ・ソロス氏の投資哲学を読み解きましょう。ソロスは、相場の流れが上昇基調にあるときに株を買うことで、たやすく儲けをあげられるといっていますが、実は彼は相場だけでなく、人の心理まで見ぬいているのです。
According to my theory of initially self-reinforcing, but eventually self-defeating trends, the trend is your friend most of the way.
私の立てた、「相場のトレンドは竜頭蛇尾の法則」によれば、たいていの場合トレンドは友達である。
trend is your friend 「トレンドは友達」
世界三大投資家にも数えられるジョージ・ソロス氏の言葉から、今回押さえておきたいのは“trend is friend”。相場の流れが上昇基調にあるときに株を買うことで、たやすく儲けをあげられることを「トレンドは友達」という表現でまとめています。“trend is friend”と、語尾が同じ発音になっているところもソロス氏のウィットを感じさせますね。考えてみると、本連載第6回で紹介したバフェット氏の“socks or stocks”も第4回で紹介したロジャーズ氏の“bull run”も印象的で、心に残る名言を述べるのは三大投資家の意外な共通点のようです。
「相場は友達」。ひと言でまとめるとシンプルですが、その背後にはソロス氏の深い投資哲学が隠れていることが英文の前半を読むと分かりますね。株価で考えるとイメージが湧きやすいのですが、何かのキッカケである会社の株がポンと上がると、「オレもオレも」と買いたい人が殺到して最初は株価は急上昇。ところが上がりすぎると、「いくらなんでも高すぎだよね」、と買い手も落ち着いてきて、上昇もペースもダウンしていく。群集心理と言ってしまえばそれまでですが、企業の実体を離れた値動きというのは良くあります。
いや、それこそが「真実」なんかもしれません。ソロス氏を初めとする天才的な投資家にとっては。企業の業績も買い手の心理も、すべてを含めた値動きこそが相場の真実なのだと冷徹に見据えているのでしょう。そうすると、相場を読む達人は人の心理を読む達人でもあるわけで、三大投資家がこぞって人の「心に残る」セリフを残しているのも、けっして偶然とは言えないのかもしれません。
そんな目でもう一度バフェット氏、ロジャーズ氏の言葉をチェックしてみると…一見しただけでは分からなかった裏の意味が見えてきませんか?そして、これこそが、著名人の発言をナマの英語で触れる醍醐味に他なりません。例えば今回の文も、「トレンドは友達」と日本語にしてしまうと極めて当たり前で、「ふーん…」と見過ごしてしまいますよね。ところが、英語で読んでみると、バフェット氏の哲学や投資に対するスタンスまで、ちょっと想像力を働かせるだけでかいま見ることができて、得られる情報のクオリティが日本語とはまったく違うのです。
これまでの連載を見直してみてもらって、「マネーで学ぶ英語」という観点を自分のものとしていただけたら、これに勝る喜びはありません。
上記の解説では、「相場のトレンドは竜頭蛇尾の法則」を主に投資家の「心理」から説明しましたが、実は経済ダイヤモンドモデルという「理屈」でも十分に説明はつきます。というのは、ダイヤモンドモデルはそれ自体で安定を保とうという働きが組み込まれていて、例えば株高に代表されるように景気が良くなってくると、それにつれて物価も上がって企業にとっては原材料が高くなりビジネスがやりにくくなってくる…その結果景気もやがては鈍化して株価も頭打ちになる、というメカニズムがはたらきます。ちょっとかっこいい言葉では、「ビルトイン・スタビライザー」(組み込みの安定装置)なんて言いますが、経済ダイヤモンドモデルは自律的に安定を指向する、なんて頭の片隅に押さえておくといいかもしれません。
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