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【テクニカル情報】 ローランドのI/F規格R-BUSとは

ローランドがR-BUSインターフェイスカード、RPC-1(予定価格34,800円)というものを発表しました。4月上旬ごろ発売するというRPC-1はPCIバスのカードで、WindowsおよびMacで利用可能なオーディオインターフェイスなのですが、R-BUSとはちょっと聞き慣れない規格です。これはいったいどんなものなのでしょうか。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

R-BUSは、突然登場したものではありません。実は2年近く前から存在していたローランド独自のデジタル・オーディオのためのインターフェイスです。すでにデジタルミキサーであるVM-3100ProVM-7200、VM-7100またデジタルレコーダーであるVSR-880、さらにはシンセサイザ・モジュールであるXV-5080……とローランドのハイエンド製品にR-BUSというものが実装されていたのです。さらにこの度VS-2480というVSシリーズの最上位モデルも発表され、ここにもR-BUSが2系統搭載されいました。

このR-BUSは25ピンD-subの端子で、24ビット/8チャンネルのデジタル・オーディオ入出力を実現するというものです。サンプリングレート的には44.1~96kHzまで扱え、これらオーディオ・データに加えて、タイムコードやコントロール情報も同時に通せるというものです。

ただ、こういうスペックを聞くとadatやTDIFさらにはIEEE1394を用いたmLANと競合するようにも思えます。事実、ある意味では競合するものなのですが、この規格自体はローランド製品のみで使うことが前提となっており、他社に広がる可能性はありません。また、R-BUSをadatやTDIFに変換するインターフェイスなども出ているので、共存するものともいえそうです。

そんなR-BUSですが、これまでコンピュータ側とのやり取りはできませんでした。つまりXV-5080のサウンドをVSR-880でダイレクトにレコーディングするといった使い方しかなかったわけですが、今回発表されたRPC-1によりコンピュータでアクセスできるようになったのです。WindowsやMac側から見ると、8イン8アウトのオーディオインターフェイスであり、MTCやMMCも扱えるというものです。

当然ASIO1.0/2.0ドライバも扱えるほか、WindowsのMME、MacのSoundManagerのドライバも用意されています。したがって、R-BUS端子を持ったデバイスをCubaseVSTやLogicAudioなどを用いて直接コントロールできるようになったのです。

またRPC-1の発売と同時か、その数週間後にはRoland STUDIO PACKというセット商品が130,000~140,000円程度で発売される見通しです。これはRPC-1とVM3100ProそしてLogic Audio Silver(多少カスタマイズされたもの)がセットとなったものなのです。この辺が登場してくると、R-BUSに注目が集まる可能性も出てきます。

adat装備のインターフェイスもかなり廉価になってきている中、競合することにはなりそうですが、R-BUSについては、今後チェックしておく価値はありそうです。
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