文章:十時 龍一(All About「競馬」旧ガイド)
ようやく今年も春爛漫の季節になった。往年の競馬ファンにとっては待ちに待ったG1シリーズの開幕といった気分ではないだろうか。近年のレース改変により2月(フェブラリーステークス)3月(高松宮記念)にもG1レースが組まれるようになった。が、やはり「華麗な宝塚で少女の初舞台」といった趣のある桜花賞が、開幕のイメージにふさわしいような気がする。
透き通った青空の下、桜の花びらが散る中、ファンファーレが響き渡る。迎えるゲートオープン、一斉に駆け出す可憐な少女たち…。桜花賞に出走する優牝は(人間に例えると)まだ「少女」と呼ばれてもおかしくない程度のお年頃である。様々なトライアルを勝ち抜いてきたとは言え、レース経験の少ない彼女たちにとっては過酷ともいえるコースと距離(阪神競馬場・芝1600m)が待っている。
以前は、経験不足で力の配分もわからないまま“てゆうか、イケるだけイっちゃって~”みたいなイケイケ馬が<魔の桜花賞ペース>なるものをつくっていた。しかし近年は(人間ともども)早熟になってきたのか、それほどの乱ペースはあまり感じられない。それでもやっぱりレース中は“ちょっとぉドキなさいよ”“なによ~アタシが先でしょ”といった感じで走っている(のかな)と想像すると、ちょっと微笑ましい。
それでは今年の出走予定メンバーを、最近のヤングアーティスト(女性)に置き換えながら紹介しよう。一本かぶりの1番人気が予想される◎テイエムオーシャン(5戦4勝)は、さしずめ『宇多田ヒカル』だ。実力・実績ともに文句なし、父ダンシングブレーブの力強さと母の父リヴリアの切れを受け継いだバックボーンもしっかりしている。引けを取らない○ダイワルージュ(4戦3勝)は『浜崎あゆみ』っぽい。負けた相手はテイエムオーシャンだけというのが心強い。そしてまだ秘密のベールに包まれた感の▲フローラルグリーン(2戦2勝)が『倉木麻衣』といったところか。兄ナリタトップロードに続いてほしい。異色な雰囲気の×リワードアンセルは『小柳ユキ』タイプだろうか。全ての出走馬を例えるのは難しいので、その他の出走馬は『モーニング娘』(今何人いるの?)、中でも×ハッピーパスがリーダー格の『中澤ゆうこ』というところでまとめてみたい。
なんとなくフィーリングみたいなものは伝わっただろうか?ただし、これは私の感じるイメージであって、各馬(もしくはアーティスト)の実際の力量はあなたなりに判断してほしい。
最後に桜花賞を占う上でのキーワードを考えてみよう。過去のデータを振り返ってみると、浮かび上がってくるポイントは<きらめいている才女>ということだ。つまり一瞬だけの輝きを感じさせる馬が栄冠を手にしているケースが多々見受けられる。今年は1頭抜けているような気はするが、そのオーラを見抜けるかどうかが馬券的中への近道ではないだろうか。ともあれ21世紀クラッシック第一弾・桜花賞で楽しみましょう。(終わり方はJRAのCM風に)