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『私たちの幸せな時間』監督インタビュー

カン・ドンウォンとイ・ナヨン主演の『私たちの幸せな時間』は、公開時に韓国歴代恋愛映画観客動員数ナンバーワンを記録した話題作。ソン・ヘソン監督にインタビュー、作品のテーマなどについて伺いました。

執筆者:桑畑 優香

カン・ドンウォンとイ・ナヨン主演の『私たちの幸せな時間』は、公開時に韓国歴代恋愛映画観客動員数ナンバーワンを記録した話題作です。登場するのは、死刑囚と自殺願望のある女性。主人公を演じる二人の美しさを存分に生かしながらも、重いテーマを扱い、「生きることとは、人を信じることとは」という問いを見る人たちに投げかけます。昨年、韓国で観て深く感動し、去年のマイ・ナンバーワンとして心に残っている作品です。ソン・ヘソン監督にインタビュー、作品のテーマなどについて伺いました。

ベストセラー作家の長編小説を映画化

カン・ドンウォンとイ・ナヨンが役者としての実力を見せ、高い評価を受けた『私たちの幸せな時間』
ガイド:
『私たちの幸せな時間』は、韓国のベストセラー作家コン・ジヨンの同名小説を原作としています。映画化を決めた時期について教えてください。

ソン・ヘソン監督:
私が原作を手にしたのは、本が出版されてから1週間ぐらいのときでした。仕事で日本に来る機会があり、空港の書店で売られていた本を何気なく手に取ったのです。実は、前作の『力道山』が、韓国で大失敗をしました。日本語で撮ったため、韓国では「韓国映画ではなく日本映画だ」と言われていました。全編に字幕をつけたため字幕を敬遠する若い世代が映画館に足を運ばす、制作に金をかけたわりに客が入らなかった。絶望していたときにこの本に出会い、映画化を思い立ちました。

ガイド:
監督はかつて浅田次郎の小説「ラブ・レター」を原作として、『ラブレター~パイランより~』という作品を撮っていますね。前回は短編の映画化でしたが、今回長編小説の映画化を手がけて、いかがでしたか。

ソン・ヘソン監督:
もう長編小説の映画化はやめようと思ったくらい、大変でした(笑)。『ラブレター』のときは、原作が10ページ足らずだったので、ストーリーを韓国的に変えながら良いところを生かせば良かったのですが、長編は内容が固まっている上に、内容を変えると読んでいた人のイメージと違ってしまうので、とても大変でした。できるだけ原作に忠実にとろうとしましたが、映像の力を生かした部分も多くあります。ラストシーンも原作とは違いますし、小道具として使ったポラロイド写真も小説には出てこない。原作の良さを生かしながら、映画としての良い面も取りいれていきました。原作にはユンスの「ブルーノート」が出ていたのですが、映画では割愛したのが残念だという韓国のファンもいました。

次ページでは、「死刑制度」というテーマの重さについて語ります。
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