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更新日:2007年07月04日

真夏に見たい、稲川淳二大研究

いまや日本を代表する恐怖のストーリーテラー・稲川淳二。彼こそ、従来の怪談の常識を覆したニューウェーブでした。無性に怖いその秘密を探りつつ、「怖い話」だけじゃない稲川ワールドに迫ります。

♪夏が来れば思い出す~♪

ホラー界の大御所・稲川淳二が、自らいわくつきの恐怖現場を訪れるホラードキュメンタリーシリーズの第6弾DVD
そろそろ夏の季語になるんじゃないかというウワサされている「稲川淳二」。その四文字から、大部分の人は「怪談」「幽霊」「恐怖体験」などのワードを連想するのでは。夏といえば怪談、怪談といえば稲川淳二というくらいの風物詩的存在でしょう。

そんな稲川さんが、怪談の名手としてクローズアップされる以前は、今のダチョウ倶楽部や出川哲朗にもまさる元祖リアクション芸人として強い印象を残していたことを、ひょっとして若い方はご存じないかも(30代以上なら、あの強烈な印象が必ず残ってる筈ですが)。

現在は「恐怖の語り部」というイメージがあまりにも強くなってるものの、それ以前から独自の個性を発揮していた稲川淳二。芸能界デビューから現在までの軌跡を検証しながら、他のタレントとは一線を隠したその魅力に迫っていきます。

工業デザイナーからタレントへ

『新稲川淳二のすご~く恐い話異人館に棲む少女』(リイド社)など、書籍も多数出版している。
タレントや俳優になる以前に、社会人としての経験を持つ人は少なくありませんが、デザイナー出身のタレントといえば、稲川、高田の「Wジュンジ」が双璧。高田純次研究は以前やりましたが、どことなく似通った雰囲気を感じてしまうのは、名前が同じだからだけではないでしょう。

両人とも一見、適当で流されやすいキャラクターながら、実はオンリーワンの強い個性を秘めています。だからなのか、タレントとして歩んで来た道筋は違いながらも、決して他人の敷いたレールを歩まず、自ら道を切り開いてきた感があります。

稲川本人のタレントデビューに話を戻すと、そのきっかけは伝説のラジオ、オールナイト・ニッポン2部のパーソナリティでした。1976年から1年間担当していましたが、当時の深夜放送には良い意味で得体の知れない人が大勢集まってました(いや、本当に良い意味で……)。

デビューの頃から、どこで息継ぎしてるか分からないほどのマシンガントークで、強烈な個性を発揮していた稲川に、テレビの世界も注目を集め、ほどなくレギュラー番組も担当。バラエティ・タレントの一人として活躍し始めます。

まずは、リアクション芸で才能発揮

『新稲川淳二のすご~く恐い話異人館に棲む少女』(リイド社)など、書籍も多数出版している。
そんな彼が、広く認知されるきっかけになったのは、80年代に入って頻繁にこなしてきた、いわゆる突撃リポーターの仕事でした。下手すると命にかかわりそうな無理難題を吹っかけられて、体を張って懸命にチャレンジし、「悲惨だな~」とか「喜んでいただけましたでしょうか?」の一言で、お茶の間を爆笑の渦に巻き込んだのでした。

いわゆるリアクション芸自体は、以前から数々のバラエティ内で企画されてきましたが、ただ驚いたり悲鳴を上げるだけでなく、カメラや音声スタッフに気配りしたリアクションを取り、様々な演出で悲惨さを強調したのは、稲川淳二が元祖と言っていいでしょう。

この当時やって来た仕事の集大成が、87年に年始特番としてTBS系列で放映されたスペシャル番組『新春ブッ通し大挑戦 稲川淳二の負けてたまるか』でした。昔も今もリアクション芸人は多々いる中、お正月番組でメインを任されたタレントは空前絶後かもしれません。

通常のタレント、俳優業でも着実に実績を

その後、徐々にリアクション系の仕事をセーブしていった稲川淳二は、あまり「悲惨」ではない「お宅訪問」のレポーターや、ドラマ出演などにシフトを移していきます。中でも92年のNHK大河ドラマ「信長KING OF ZIPANGU」で演じたキリシタン・ロレンソは、それまでのコミカルな芸風とは掛け離れた重厚な演技で、多くの視聴者を驚かせました。

その後もドラマ出演は続けながら、彼はまたまた新ジャンルへと足を踏み入れていきます。それが、現在の稲川淳二のイメージを決定付けた「恐怖の語り部」でした。


次のページでは、もうひとりの稲川淳二を紹介します。
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この記事の担当ガイド

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広川 峯啓

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