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更新日:2007年01月27日

今年は「芸人本ブーム」がやってくる!?

ここ数年、お笑い芸人の書く本が次々にベストセラーになってます。中でも最近目立つのが、自分の若き日を面白おかしく記した「身の上話」本。そんな傾向について、いろいろと考えてみました。

「てじなーにゃ」のパパが語る極貧人生

『息子たちよ!』北見 伸(著)
では、そうした身の上話本の中で、まだまだそれほど話題に上ってきてはいないものの、当ガイドがここで是非お勧めしたい一冊を紹介します。タイトルは『息子たちよ!』。作者は芸人は芸人ですが、一流のマジシャンとして知られる北見 伸です。

例え名前を知らない方でも、写真を見てもらえば一目瞭然。「てじなーにゃ」の掛け声が印象的な世界最年少のイリュージョニスト・山上兄弟のお父さんです。もちろん、マジック界の第一人者として、今も現役として大活躍されてます。

タイトルからすると、父親の目から見た山上兄弟を描いた本のように見えるかもしれません。もちろんその部分にもページが割かれていますが、その大部分は大阪で極貧の少年時代を過ごした北見伸の半生を語ったものです。

「貧乏」が珍しくなかった時代

著者は1962年生まれ。幼年期を過ごした60~70年代といえば、まだまだ日本全体が貧しかった時代ではありますが、住む家がなく駅の待合室で暮らしていたり、小学校に入学するという時に自分の戸籍がないことが分かったり、とにかく凄まじいまでの貧困ぶり。

それが淡々とした文体で書かれているだけに、よりいっそう心に迫るものがあります。マジシャンというのは、燕尾服をスマートに着こなしている印象からか、もともとお金持ちの人が演じているという思い込みがありましたが、この本を読んで根底からくつがえされてしまいました。

お笑い芸人が書くものと違い、ユーモラスな文章ではないものの、冷静に自分を見つめて書かれ、「子供たちは自分よりもずっと有名になってしまった」などというドッキリさせられる独白も、さり気なく記されています。

まだまだ逸材は眠っている!?

実は中学を卒業し、プロマジシャン見習いとなって以降も、まだまだ壮絶な日々が続くのですが、その辺りはぜひ手にとってお読み頂ければと思います。『がばいばあちゃん』とは180度違うタイプの貧しさが、読む人の心を打つのでしょう。

常に観客の前で演じる芸人は、常に自分というものを冷静に把握しているようです。だからこそ彼らの語る身の上話は、読者の心を揺さぶるのかもしれません。

DVDチャートでは『人志松本のすべらない話』が大ヒットしていますが、あの出演者の中にも、身の上話で一冊書ける芸人が何人かいるようです。そこに出版界が目を付ければ、今年のベストセラーは芸人が独占するのも夢ではないと思うのですが……。

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バラエティ文化論
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広川 峯啓

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