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全国朝ドラ分布図(前)名古屋は避けてる?(3ページ目)

過去の朝ドラの舞台を都道府県別に分析してみました。大阪以外の関西は多いが東京以外の関東は少ない、東海・北陸は少ない、大阪制作で四国が舞台になったことがないなど驚きの事実が。その理由は?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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東海・北陸は少ない

関東甲信越と関西に比べてそれにはさまれる東海・北陸地方が朝ドラの舞台になることは少なめ。それに舞台になっても最大の都市である名古屋周辺は避けられています。『さくら』は岐阜北部の飛騨高山、静岡の『ハイカラさん』と『青春家族』は静岡県東部の伊豆。初の愛知県『純情きらり』は東部の岡崎が舞台。かろうじて『君の名は』では伊勢志摩編で春樹(倉田てつを)が名古屋の出版社に勤めていた例はあります。

これはNHKの体制に原因があります。全国のNHKで連続ドラマをつくっている局は東京と大阪と名古屋。そしてNHK東京がローカル局としてカバーしているのが関東・甲信越、NHK大阪は関西、そして東海・北陸地方はNHK名古屋が担当しています。
NHK大阪がドラマの舞台としているのは西日本、東京は全国を対象にしてはいますが、どうしても東海・北陸はNHK名古屋のホームグラウンドとしてちょっと遠慮が。その結果として東海・北陸地方が少なくなっているのではないでしょうか。


東海・北陸が舞台になる場合の理由

/aajg-50-22>純情きらり 総集編
純情きらり 総集編
愛知県が舞台の『純情きらり』はその前年までNHK名古屋にいた銭谷雅義Pが東京に異動して名古屋時代に制作した『ちょっと待って、神様』の宮崎あおいと脚本の浅野妙子でつくったNHK名古屋色の強いもの。

また『ちりとてちん』が舞台の福井県は民放が二局しかないため南部など大阪のテレビ局が映るところはそれをみているため文化的に関西よりです。国交省運輸局の分類では関西(近畿)は京都、大阪、滋賀、兵庫、奈良、和歌山の2府4県ですが、同じ国交省でも地方整備局の分類はそれに福井が加わるなど微妙なところにあります。

『ちりとてちん』で職業が落語で舞台が福井なのはたぶん06年に上方落語の定席・天満天神繁昌亭ができ、相前後してJR西日本が京阪神から直通で敦賀までいける(小浜へはそこから小浜線に乗り換え)ようになった影響だと思います。
だから『ちりとてちん』の最終回は繁盛亭での徒然亭若狭の初舞台に家族がJRに乗って見にくるんではないかと予想しています。



残る「大阪制作で四国が舞台になったことがない」はこれらの特徴をふまえて「来年の朝ドラを勝手に予想」も加えて一週間後の3月24日の公開を予定しています。
お楽しみに!


関連リンク

ガイド記事:全国朝ドラ分布図(前)名古屋は避けてる?

ガイド記事:全国朝ドラ分布図(解答編)埼玉が最後の一県

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