
「マネーで学ぶ英語」オバマやグリーン・スパンなど著名人の発言からマネーと英語を学べるという一石二鳥な連載。自然と記憶に残るようなフレーズと分かりやすい解釈つきだから、マネーと英語を同時に学ぶなんて難しい!なんてことは心配無用。
マネーで学ぶ英語
更新日:2009年11月20日
ちょうど1年前の大統領選の途中でオバマさんに負けちゃったヒラリー・クリントン氏。そんなヒラリーさんのスピーチから、今日押さえておきたいのは"get back on track"と言う表現。ヒラリーの考えた景気回復策、そしてそれが本当に「回復軌道」へつながったのかどうかをスピーチから読み解いてみましょう。
Many of you are well enough off that the tax cuts may have helped you. We're saying that for America to get back on track, we're probably going to cut that short and not give it to you. We're going to take things away from you on behalf of the common good.
ここにいる多くの方が豊かな暮らしをしているのは、減税が助けになったからでしょう。でも、アメリカを回復軌道に乗せるためには、減税をストップせざるを得ないと言いたいのです。公共の利益のためには、あなた方に痛みを強いることになります。
get back on track 「回復軌道に乗せる」
今やアメリカの中枢を担うヒラリー・クリントン氏。ちょうど1年前の大統領選の途中でオバマさんに負けちゃったのは残念でしたが、その後は日本の外務大臣に当たる国務長官として活躍しています。
そんなヒラリーさんのスピーチから、今日押さえておきたいのは“get back on track”と言う表現。“track”は陸上競技なんかの「トラック」ですから「軌道」という意味で、文字通り「軌道に乗せる」、もしくは、"get back"で脱線した電車を戻すイメージで、「回復軌道に乗せる」となります。
さて、表現を押さえたところで中身に踏み込んでみましょう。ちょっと長いけど大丈夫。だって、長い英文はいわばヒントの多いクイズ問題のようなもので、慣れればよっぽど読みやすいんです。
第1文で減税への期待感を認めたうえで、「でも減税はナシよ」、とかなり強気に言いきっているのが何ともヒラリーさんらしいところ。
え?減税して、みんながお金を使うようにした方が、景気は良くなるんじゃないの?
と思うかもしれませんが、ヒラリーさんの考えはちょっと違うようですね。むしろ、この連載の第1回目で紹介したオバマ大統領に考えは近くて、税金を国民に返すよりも、政府がジャンジャンお金を使った方が景気を回復軌道に乗せやすい、と考えているのです。
でも、よくよく英語の表現を見るとかなりどぎついこと言っていますね。“We're going to take things away from you”なんて表現、上記の訳文では意訳してますが、直訳すると「私たちはあなた達からブン取ります」。言われた方は「冗談じゃないよ!」と反発しますよね、普通は。
ましてや、日本人が想像つかないくらい自主自立を重んじる米国人相手にこうも身もフタもない言い方をしてしまうというのは…ここら辺に、ヒラリーさんが大統領になれなかった原因が隠されているのかもしれません。
今回は、経済ダイヤモンドモデルで言うと、グレーで色づけされた「株価」にフォーカスがあてられています。そして、ヒラリーさんの主張は、政府が公共事業などを通じてお金を使えば景気が回復して、結果として企業の業績も良くなりやがては株価も回復する…となります。逆にヒラリーさんに反対する立場の人は、政府主導ではなくて、減税によって消費者にお金を返したり企業の資金繰りを楽にすることが回復への近道だ、と言っているわけですね。
どちらの陣営も同じ経済ダイヤモンドモデルを見ながら、回復軌道に乗せる「手段」で意見の相違が見られると言うことでしょう。
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