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更新日:2009年02月12日

世界料理サミット2009に学ぶ日本再発見

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2009年2月、東京国際フォーラムで「世界料理サミット2009」が開催されました。服部幸應先生の声がけにジョエルロブション氏、アドリア・フェラン氏などの協力のもと世界中のカリスマシェフが日本に集結しました。

日本文化はアバンギャルド

アドリア氏と石田氏の間には言葉や国境を超えた友情が育ちつづけている。
さて話をエルブリのアドリア氏に戻します。彼は今回、初日のパネルディスカッション、2日目、3日目のデモと3日間を通して出演の場面があったわけですが2日目の冒頭と最後、とても感動する場面がありました。まずは冒頭のあいさつで

「エルブリについての記事はたくさん書かれています。が、エルブリが日本文化から影響を受けていることについて触れられている記事はほとんどありません。そこで今回私は日本からどれだけの影響を受けたかについてお伝えするために今日ここに立っています。」

と話され、前ページでもご紹介しましたが壬生さんとの出会い以降、海藻や花、そして種をテーマに「どうしたら美味しくなるだろう?」と考えて作った料理にいろんなお客様から

「とても日本的な料理だ」

と言われたこと、それらは彼が意図して日本を表現しようとしたものではなく、自然とそうなっていたものだという無意識の日本体験の影響が彼の料理に現れていたということを話されていました。そしてここからがエルブリの面白いところなんですが2006年はその「日本」を敢えて表現することに挑戦してみたのだそうです。その題材となったのが「温泉たまご」。温泉たまごをエルブリ風に表現するにはどうすればいいか?例えば黄身の部分は生姜オイルの中で黄身のニョッキを作るなど私達がイメージする温泉たまごとは違ったエルブリの料理に変身していました。

そして最後に彼は「今日ここでご紹介する料理は『壬生へのオマージュ』です。」ということで壇上に壬生の石田氏を呼び、彼に対する感謝とそしてVTRに収められた数々の作品を会場に紹介しました。その際にアドリア氏と石田氏が映像を肩を組んで見ている姿に登美子夫人も会場のみなさんも涙を浮かべていました。私自身も感極まって涙が止まらない状態に。

今回、アドリア氏がいった言葉にとても印象的な言葉がありました。

「みなさん僕の料理をとてもアバンギャルドだといいますね。でも僕にとっては日本の茶道であったり、禅であったりという文化こそがアバンギャルドなんですよ。」

明治維新後、日本はとかく西洋文化に追いつけ、追い越せと「洋のものがよくて日本の文化が落ちる」といった価値を持ってしまったところがあります。しかし私達が憧れる洋の文化が逆に私達が「先人から受け継いでいる文化」に対して尊敬と憧憬を持っていることを考えると「自国の文化に誇りを持つ」意味を今一度考える時に来ているのではないでしょうか?自国に対する誇りは「自身のバックグラウンドに対する自信」ですから自ずとその人自身の自信につながります。たくさんの可能性を持つ子供たちには特にそういった自信を身につけながら大人になってもらいたいと、外国のシェフ達から私は教わったように思います。

Shoku-ikuは世界語

(上)小泉総理、服部先生、そして今回出席のシェフたちと一緒に「レッツショクイク!」(下)「無事終わってホッとしています」と津貴子先生。
世界料理サミットのオープニグセレモニーでは食育基本法を制定した総理である小泉純一郎元総理出席のもと、服部幸應先生の掛け声で「レッツショクイク!」のエールをみんなで宣言。今や食育も”Shoku-iku”とローマ字で表現されるグローバルスタンダードになりました。また3日目には味覚教育の創設者、ジャック・ピュイゼ氏も講演するなど食育の観点からも素晴らしい学会の開催でした。

最後に食育サイトには何度もご登場いただいている服部津貴子先生にサミットが終わっての感想を伺いました。

「今回、世界のトップシェフの方たちがみなさん、日本の食材に触れて、それを評価し、お持ち帰りいただいたことを本当にうれしく思っています。このようにグローバルな交流の中で日本を世界に紹介できることは日本の自給率をあげる上でも意味があると思います。また皆さんに日本に対していい印象を持って帰っていただけていたら本望です。そういった意味で世界料理サミットが国際親善の一端になったことを願っております。」

今回を皮切りに今後、第2回、3回……と世界料理サミットは開催の予定です。いずれかの機会にぜひみなさんも足を運んでみてください。「世界の一流に触れることは何物にも代えがたい貴重な経験である」と取材後記として述べたいと思います。

【関連リンク】
世界料理サミット2009
エルブリ
ジョエルロブション
アルザック
アリニア
ムガリッツ
レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ
壬生塾

(執筆者:飯野 耀子)

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