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恐れるに足りず!トランス脂肪酸対処法(3ページ目)

ニューヨーク市では、市内全ての飲食店で「トランス脂肪酸」使用を禁止することに決定しました。この「トランス脂肪酸って何?」から「アレルギーとの関係はあるのか?」など、最新の情報をお伝えします。

執筆者:松下 和代

恐れるに足りず!トランス脂肪酸への対策

バターと食パン
体に良いと思っていたマーガリンが実は有害?
では、このトランス脂肪酸について、現段階でできる具体的な対策はあるのでしょうか?

1、原材料表示の中の「マーガリン」「ショートニング」をできるだけ避けましょう
「植物油」「植物油脂」「植物性油脂」「加工油脂」など、現状ではほとんどがトランスファットを含むと考えるべきです。ただし、良心的なメーカーによる「圧搾絞り」「コールドプレス」等の表示がある場合には、トランスファットを含む可能性は低いと判断してよいでしょう。

2、ファーストフードやファミリーレストランでの外食を控えましょう
メニューを選ぶ場合も、ポテトフライや揚げ物を避けること。特に体調の悪い時には、外食やレトルトを控え新鮮な野菜や魚を食べるように心がけましょう。

3、マヨネーズや油脂分の多いメニューを減らしましょう
WHO(国連世界保健機関)・FAO(国連食糧農業機関)の合同専門家協議会報告書では、エネルギー比でトランスファットの摂取は1%未満を提唱しています。国際脂肪酸・脂質学会は1日2g以下を勧告しているので、許容量としてはこの数値が参考になるでしょう。

4、できるだけ、n-3系のαリノレン酸をとるように心がけましょう
シソ油などのαリノレン酸や、魚の魚油に含まれるDHAやEPAはトランス脂肪酸を抑制させる効果があるとされています。家庭で利用する際は、できるだけ油の長時間の加熱(揚げ物、フライパンに長い時間、高温で油を熱さない)を避け、少量でもαリノレン酸の油を加えてみてください。

5、無添加食品の落とし穴に気をつけましょう
油脂に限らず、加工食品全般に言えることですが、「無添加」を表示していても、添加物を含む場合があるのです。これは「キャリーオーバー」と呼ばれる原料の原料から「持ち越し」されてくる添加物です。例えば、しょう油とかつおだしの「だししょう油」の場合、原材料の表示では「しょう油、かつおだし」のみで「無添加」となりますが、その使われた「しょう油」に保存料が入っていても「キャリーオーバー」として表示の免除があるからなのです。「量的に微量であるから影響はない」との見方もありますが食物アレルギーなどの問題では重要なことです。

「あれも、これもダメ」と規制してしまうと、現状では食べる物も少なくなります。また、生産者側のメーカーも対応が難しいところだと思います。現在、日本ではこのトランス脂肪酸については、厚生労働省から以下のコメントがありました。

「バランスよく食事をするかどうかの問題。今のところ、商品にトランス脂肪酸の成分表示をしたり、外食産業に使用規制をしたりすることはない。ニューヨーク市の行動力は素晴らしいが、すぐに日本に当てはまるとは考えていない」

現状では、日本ではまだ規制や表示の義務はありませんが、アレルギーに少しでも関係ある親として、安全な食品を利用できる消費者として全ての食品に、詳しい情報の提供を望みたいと感じます。



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