子供の病気/その他の子供に多い病気

吸入薬の副作用予防には、必ずうがいを!

子供が気管支炎や喘息になったときにお世話になる「吸入薬」。吸い込んで肺に入ったものはいいのですが、口の中に残ったものはどうなるのでしょう。そのままでいいのでしょうか。

執筆者:長尾 大志


吸入薬の副作用

Q:うちの子供の咳がひどくて近所の医院にかかりました。そこで「喘息」と診断され、吸入薬を渡されたのですが、薬の説明をみると、「動悸や手の震えなどがあります」と書いてあり、怖くなりました。実際はどうなのでしょうか。予防する方法はあるのでしょうか。教えて下さい。

A:お答えします。吸入薬には大きく分けて4種類あります。
  • 去痰薬
  • 抗アレルギー薬
  • 気管支拡張薬
  • ステロイド薬
それぞれ効果・副作用が異なりますので解説します。
  • 去痰薬:痰を切りやすくします。副作用はあまりありません。
  • 抗アレルギー薬:以前喘息の子供によく使われましたが、効果が限られているので最近使われなくなってきました。副作用は少ないです。
  • 気管支拡張薬:喘息の特効薬です。速やかに気管支を広げて症状を改善させますが、ふるえ(振戦)、動悸といった副作用があります。
  • ステロイド薬:吸入ステロイドでは声のかすれや、口内炎の他、口や食道にカンジダというカビが生えたりもします。
このうち、副作用が特に問題になるのは気管支拡張薬と吸入ステロイドです。

副作用の予防法

吸入後は必ずうがいを
吸入後は必ずうがいを
吸入薬を使った後は、必ずうがい・口すすぎをさせてください。吸入薬を口から吸い込むと、薬にもよりますが半分以上の薬は口の中についてしまいます。

吸入薬はあくまで肺に到達したものだけが役に立つので、口の中についた薬は全く何の薬にもたちません。そればかりか、それを飲み込んでしまうことで、副作用が起こりやすくなってしまいます。

うがいのやり方には、決まったものはありません。ともかく「出来るだけ口の中やのどについた薬を流してしまう」のが目標です。流れてしまえばそれでいいので、通常は数回口をすすぎ、その後数回うがいをさせればいいのではないかと思います。

うがいをしても副作用が出る場合

うがいをしても副作用が出る場合は、以下のような対応になります。
  • なるべく早く吸入薬を減らす
  • 吸入薬の種類を換える
  • 内服薬などに切り替える
吸入薬もネブライザーという噴霧器を使って霧状の薬を吸うもの、スプレー式のもの、粉薬を吸うものなどいくつかの種類があります。中には喉の副作用が出にくいものもありますから、いくつか変更してみると子供に合うものが見つかるかも知れません。薬剤を減らすという選択肢を含め、主治医に相談されるのが一番でしょう。

*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。


<参考リンク先>
不安解消 小児喘息ガイドラインとは?(記事)
子供が軽症の喘息 どう治療する?(記事)
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