乳児育児/ベビーサイン

ベビーサイン、赤ちゃんと手で会話!(6ページ目)

「育児を少しラクにするコミュニケーションツール」第2回はベビーサイン。アメリカで始まったベビー(赤ちゃん)のサインを日本で広めた、日本ベビーサイン協会理事長の吉中みちる先生に伺いました。

執筆者:松原 美里

なかなかベビーサインが出ないときは?

親子のコミュニケーション
目と目を合わせて、赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しみましょう
ガイド:
赤ちゃんがベビーサインを出すまでにどのくらい時間がかかるのですか?

吉中先生:
赤ちゃんがサインをしてくれるまでには、個人差はありますが、長いと2~3ヵ月以上かかることもあります。真似から始まって、サインの意味を理解できるようになるまで半年くらいかかる子もいます。

サインが出るまでの間に「うちの子には向いていないんじゃないか」とか「ベビーサインって難しい」と思って挫折してしまう人が多いのも事実。でもそこで諦めてしまってはもったいないと思うんです。

教えようと思って構えてしまうと、なかなかサインも出てこないもの。サインが出始めるまではもどかしい気持ちがあると思うのですが、それよりも赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しんでほしいです。

まずは赤ちゃんにサインを見てもらう努力から始めてはいかがでしょう。やはりポイントは最初にお話したように「目と目を合わせて」に尽きると思います。少ないサインを気楽に繰り返し使っていくうちに、赤ちゃんも返してくれるはず。

「おいしい」など形容詞のサインは概念を赤ちゃんに理解してもらうのがちょっと難しいので、名詞から教え始めるのもポイント。どのサインに赤ちゃんが反応してくれるかはやってみないとわからないので、少しずついろいろな種類を試してみてくださいね。



【インタビューを終えて】
吉中先生のお話を聞いて、「言葉になっていなくても、赤ちゃんはたくさんの湧き上がってくる思いを感じているんだ」と改めてハッとさせられました。泣いたり笑ったり、言葉にならない赤ちゃんの思いを大人へ伝える架け橋がベビーサイン。目の前にいる赤ちゃんが今、どんな世界を見ているのか? どんなことを感じているのか? 赤ちゃんが発するたくさんのサインを分かってあげることが出来たら……。きっと親子の心がさらに温かく通じ合えることと思います。

「伝えたら分かってくれる」「表現する権利がある」という感覚は、「自己肯定感=自分は大切な存在であるという感覚」につながる、健全で大切なものだと感じました。

サインをする姿がかわいいことが何よりも励みになりますね! 日常のひとコマとして、気負わずに、気長に取り入れていきたいですね。

【吉中みちる先生プロフィール】
岐阜県出身。関西外国語大学卒業。在学中にペンシルバニア州立大学に留学。2000年6月長男出産。初めての育児に悩んでいる時に米国で広がり始めていた新しい育児法「ベビーサイン」に出会う。米国からの情報を元に試行錯誤で育児に取り入れ、ベビーサインの素晴らしさを実感。それ以来、本の出版、ビデオの監修、協会の運営、大学での講演、オンラインクラスの実施、全国での教室展開など、多岐に渡る活動を行なっている。2004年にはベビーサイン講師育成プログラムを立ち上げ、2007年6月現在で約350名の講師を育成。2007年第21回日本青年会議所会頭特別賞受賞。2007年冬から英語でベビーサインの教室展開と講師育成も実施予定。

夫、息子、娘、ラブラドールの4人と1匹の家族。母としての素直な願いと実感を大切にしつつ、日々ベビーサインの普及活動に取り組んでいる。


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2008年からスタートする英語版ベビーサインも楽しそう!
(c)日本ベビーサイン協会


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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