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現場発 金融ニュースHOTS

更新日:2009年11月17日

JAL企業年金は他人事?あなたの企業年金が危ない!

JALの企業年金の減額の話題がニュースをにぎわせていますが、これは決して他人事ではありません。皆さんの多くが何らかの企業年金に加入しています。あなたの企業年金、大丈夫!?

JALの企業年金減額は対岸の火事なの?

JALの給付削減、話し合いの決着か、強制的に減額されるのか、その結果裁判にまで発展するのか、行方が注目される

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先日、JALの中間決算が発表され、過去最悪の赤字だったようです。経営再建の大きな障害となっていると言われているのが「企業年金の減額」。

政府も金融機関も、再建には企業年金の減額が不可避との認識のようです。企業年金の減額については、受給権者の3分の2以上の合意を取る必要があるのですが、仮に合意を得られなかった場合については、特別立法を作ってでも強制的に減額を行なう考えもあるようです。

この「JALの企業年金の減額」。
「大変そうだなぁ」と対岸の火事を見守るような心境になりがちですが、JALだけが抱えている問題ではありません。皆さんの誰もが「会社の存続」と「年金を減額」を天秤にかけなければならない時がくる可能性があるのです。

ほとんどの企業年金が「火の車」状態

会社員の約半分が何らかの企業年金に加入しているといわれています。この企業年金の大半が財政的に厳しい状態であると言われています。

自己責任で運用する「確定拠出年金」以外は、企業が年金額を保証するシステムとなっています。企業は掛金を主に株式で運用し、約束した利率よりも運用成果が高ければ良いのですが、悪ければ企業が穴埋めする必要があります。

ちなみに代表的な企業年金である「厚生年金基金」と「確定給付企業年金」の2008年の積立金の運用が、何と「マイナス17.8%」となってしまいました。

この2つの企業年金の積立金は約70兆円。それがたった1年で10兆円の損失を出したことになります。今年の運用はプラスになっているとは言え、株価低迷の影響をモロに受けた格好で、損失を取り戻すのは簡単なことではありません。

4.5%の利回り保証が大きな負担に

先ほども触れた「厚生年金基金」は基本的に利回りを4.5%保証しなければならないシステムとなっています。

集めた掛け金に4.5%の利息を付けて返すということなのですが、昨今の低金利時代では預金や国債等ローリスク資産で運用したのでは追いつきません。

ですから、株式や外国債券等ハイリスク資産に運用を委ねざるを得ません。高度成長期からバブル崩壊までの間は、定期預金でも4%を超える金利だったので、この頃の企業年金は単純に言えば「儲かって」いたわけです。

しかし、バブル崩壊後現在に至る、「低金利、株価低迷期」で状況は一変。4.5%の運用ができなかった穴埋めを企業が行っていたわけですが、これが多くの企業自体の体力を奪ってしまうことになりました。

会社の存続と年金減額という究極の選択を迫られる!? 

企業の論理として、「企業の経営状態が悪い」から「企業年金を減額」すると言う理屈もありますが、「企業年金の運用悪化の穴埋めを企業がする」から「企業の経営状態が悪くなる」という側面もあります。

JALのような深刻な経営状態ではない企業であっても、先ほどの厚生年金基金を脱退して、利回り保証をしなくてもよい「確定拠出年金」や、より負担の軽い「確定給付企業年金」制度に変わる企業が後を絶ちません。

多くの皆さんが加入している企業年金も、もう既に何らかの制度に変わっている
かも知れませんし、その際に何らかの「減額」があった可能性もあります。また今後も「会社の存続」を取るか「老後の生活の確保」を取るかの「究極の選択」を迫られることになる方が少なくないと思われます。

その際に
■企業年金の財務状態(本当に減額が必要なのか?減額が必要としてどのくらいの減額が妥当なのか?)
■経営状態と企業年金との関係(本業での経営責任を企業年金問題に摩り替えていないか?)

しっかりとチェック出来る目を養う必要がありそうですね。

この記事の担当ガイド

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和田 雅彦

年金の専門家である社会保険労務士資格を取得し独立開業。個別相談他、年金問題についての執筆、講演も多数。

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