文章:久米 信行(All About「Tシャツ」旧ガイド)
イタリア文化会館を金銀墨藍紫のSYOで染める
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| イタリア文化会館のロビーがsho空間に |
先ほど、東京九段のイタリア文化会館で開催されている吉川 壽一先生の「VIAGGIO INSICILIA—SYO杲杲(コウコウ)展」に出かけて、度肝を抜かれました。
京都の若き絵師にして手描き友禅の職人でもある冬奇さんと訪ねたのです。世界を舞台に新たな表現に挑もうとしている若き才能に刺激を与えてくれると思ったからです。
しかし、冬奇さんも、もはや書でもSYOでもなく、私たちの想像を超える独創的な造形の数々にただ言葉を失っていました。
それは、ポンピドーやグッゲンハイムでも見たことのない色とかたち。大きさ、速さ、大胆さ....そして、精妙さ。文字でもなければ、抽象画でもないのです。
シチリアを10日間1000km旅した印象で創作
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| 世界の8人のアーティストと旅する |
イタリア文化会館の展覧会案内には、こんな一文が掲載されています。
「シチリアの神秘にインスパイアされた書道家吉川壽一氏の作品は、来場者を東洋から西洋への旅へといざないます。シチリアの資産である美術を通じてさまざまな国際的アーティストにシチリア文化の再発見をうながすプロジェクト「シチリアの旅」の一環として、2006年9月にプラネータ社からの招待を受けた氏がイタリア文化会館で個展を開きます。」
エッフェル塔の前で大書し、砂漠に砂漠と書いた吉川先生。著名なイタリアのワインメーカー「プラネータ社」を訪ねた折、そこの壁を見て創作意欲が湧いて「いきなり書いた」のが、事の始まりだと聞きました。
この旅が契機となって、先生の個展を欠かさず見ている私も、誰が書いたのか戸惑う...しかしものすごい新作の数々が生まれたのです。
吉川先生に聴く不思議な色とにじみの秘密
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| 微妙な紫色の秘密はワイン |
幸運にも、会場で吉川先生とお会いできて、ゆっくりお話をする機会がありました。
どう言葉にしてよいか戸惑いながら「また作風が変わりましたね」と感想を漏らすと、いたずらっぽい笑みを浮かべて「こんなになっちゃった....」
これまで見たことがない、淡い紫は、絵の具ではなく、なんとワインなのだそうです。そして、どの作品にも印象的なにじみとむら染めの味わいを醸す淡い藍色。その秘密は....ワインと墨の反応でできた自然のいたずらなのだそうです。ワインで酔っ払いながら、あらゆる配合を試すうちに偶然見つけたとか。
越前和紙の名人8人で漉いたという巨大な麻紙には、これまた大胆な三次元的遠近法の作品。その一方で墨一色の「心」
まさに、融通無碍、自由自在なのです。
そんな敬愛すべき師に、ご挨拶をして一度おわかれした後、しばらくして、もう一度声をかけてくださいました。どこか恥ずかしげで、どこか嬉しそうな笑みを浮かべているのです。手にはTシャツ。それは、私がこれまで見たこともないTシャツだったのです。
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吉川先生が見せてくれたとっておきTシャツ