文章:久米 信行(All About「Tシャツ」旧ガイド)
日経ナノテクノロジー黒川編集長からのオファー
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| ナノテクで生み出された先端新素材が世界を変えていく |
ある日、
日経ナノテクノロジー編集長の黒川 卓さんから、耳を疑うようなお誘いがありました。
超ローテク素材のTシャツを生業とする私に、最先端のナノテク素材を研究しているフラーレン.ナノチューブ研究会での講演を勧めるという無謀なお話でした。
かつて、黒川さんは、今をときめくプラズマディスプレイや液晶ディスプレイなどの大きな国際コンベンションやアイディアコンペを企画運営され成功に導いた先見力の持ち主です。そして、今、ナノテクノロジーというまさに時流に乗った領域をウォッチし応援しているのです。
日本を代表するフラーレン.ナノチューブの研究者が集まり研究成果を発表する会議で、黒川さんは座長を務めるとのこと。しかし、私などが参加する資格があるとは、とても思えません。
さらに黒川さんの無理難題は続きます。ナノカーボンとフラーレンをテーマにしたTシャツを作ろうというのです。
フラーレンって何?ナノチューブって何?
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| フラーレンC60はサッカーボールの形をしています |
講演しようにも、Tシャツを作ろうにも、フラーレンって何?ナノチューブって何?というのが、私の悲しい現実認識でした。
しかしネットで検索して、目が釘付けになりました。
例えば「
フラーレンの世界」というホームページには、わかりやすい解説がありましたが、驚いたのはフラーレンの不思議な美しさです。
「フラーレンの代表選手であるC60は
サッカーボールと同じ形をした球形分子で、
直径は約0.7ナノメートル(1ナノは10億分の1メートル)です。」
そして、この新素材が、21世紀をリードする燃料電池・壁掛け平面ディスプレイや 次世代の半導体・医薬品などの開発に欠かせないものであることも知りました。
名古屋大 篠原先生のプロジェクトXに学ぶ
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| 寝ないで創造したフラーレン・ピーポッドの美しさ |
黒川さんから、フラーレン・ナノチューブ研究会の代表幹事が名古屋大学の篠原 久典先生だと教えていただきました。Tシャツ制作にも乗り気だとおっしゃるのです。
そこで、どんな方だろうとネットで調べますと、文部科学省関係のホームページで素晴らしい
インタビュー記事(Japan Nanonet Bulletin 第51号)が見つかりました。
篠原先生は、サッカーボール状のフラーレンの中に金属分子を入れたばかりでなく、カーボンナノチューブのさやの中に、フラーレンを並べるという偉業を達成されたのです。その金属内包フラーレン・ピーポッドは独自の半導体開発への応用が期待されているとのこと。
その偉業にもまして、私が感動したのは、篠原先生の情熱的なお言葉です。
「当時、フラーレン研究者はみんな不眠不休でした。
僕もそうです。
寝ている間に今やっている研究を
他で発表されてしまうかもしれない。
恐怖で寝られなかった」
フロンティアは寝てはいられないのです!
そして、人づくりにも情熱を注がれています。
「いかに人を育てるかが大事。大学生ではもう遅い」
と時間が許すかぎり、高校や中学で講演を行っている。
電子顕微鏡写真を見せる、模型を持っていく、
学生を連れて行き実験してみせる・・・。
視覚的な講演で、生徒達の好奇心を刺激する。
「いろんなことに興味を持てるのが子供の特権。
それがそのまま大人になったのがサイエンティスト」。
若い研究者達にも
「モチベーションを保ち、ロマンを持て」と言う。
「ロマンを持って、実現するための基礎をしっかりやれば、
どうにかなるんですよ」
この美しい先端素材の画像と、その大いなる可能性に
魅せられ情熱を傾ける黒川さんや篠原先生との
コラボレーションで、どんなTシャツが
デザインされていくのか楽しみになってきました
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そして作られたTシャツは???