男のこだわりグッズ/iPod・ミュージック関連グッズ

周辺グッズから見えてくるiPadのこと(3ページ目)

iPad用の周辺グッズはスゴイ速さで開発、発売されています。中でもよく考えられているSimplismのケース、バード電子のスタンドを中心に、iPad周辺グッズを通してiPadの面白さをあぶり出します。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

持ち歩くケースにおける保護機能の問題

Simplism「Outdoor Bag for iPad」3,980円(税込)
カラーバリエーションは、写真のブラックの他、オレンジとホワイトがある。

持ち歩く際のiPadの保護を中心に考える場合、便利なのはスリーブ型、つまり、iPadを収納して持ち歩き、使用する際はiPadを取り出して使うタイプのケースです。iPadは、基本的には裸に近い形で使うのが、当たり前ですが最も軽いし、薄く、扱いやすいので、スリーブ型ケースは、最もiPadの実力をスポイルしないケースだと言えます。ただ、使い始めにケースから取り出すのが手間なので、そこで好みが分かれます。
ストラップは取り外しが可能。背面にはファスナーポケットが用意されていて、イヤフォンやフォトコネクションキットなどを入れておける。

実際に使っていて思うのは、iPadはiPhoneと違って、歩きながら取り出して使ったり、電車の中で立っている時に使ったりはしないということ。だから、実のところ、使う時にケースから取り出すのは、それほど手間にはなりません。そういう意味では、iPhoneケースに比べて、速度よりも保護 機能の方が優先するという使い方が合っているようです。ケースに入れたままで使えて、保護機能もあるといったケースの場合は、前述したように、小ささが犠牲になります。しかも、使用中のサイズや重量が犠牲になるわけで、そう考えると、スリーブ型で保護機能を重視するというのは、合理的です。もっとも、合理性と個人の事情は簡単には一致しないので、様々なスタイルのケースが発売されるし、使う側も、用途によって必要とするケースが違ってきます。全ての用途で快適に使おうと思ったら、全ての用途に対応するケースを持つ必要があるわけで、それもまた現実的ではありません。

入り口を折り曲げて収納するので水が入らない。内部の緩衝材を外すと、シリコンケースに入れたままのiPadでも収納出来る。

などと考えると、このSimplismの「Outdoor Bag for iPad」の、防水機能付きのiPad専用ケースというのは、かなり実用的ではないかと思うのです。表裏だけでなく側面にも緩衝材の入った耐ショック性能に、撥水性の高いターポリン素材と、フラップ部分からも水が入らない仕掛け、iPadにジャストサイズでストラップ込みで242gという軽量。シンプルなデザインは、そのままインナーとしても使えます。保護性能でいえば、これだけのケースは中々ありません。持ち運ぶ時は、このケースでしっかりと保護して、雨の日でも安心して持ち歩けて、使う時は、iPadが最も威力を発揮するスタイル(つまりは裸ですけど)で使えるわけです。3Gタイプを購入して、肌身離さずiPhoneのようにiPadを使いたいという人には向かないかも知れませんが、iPadというツールは、使う時には落ち着いた場所で、しっかり使う、という人には最も向いたケースかも知れないと思うのです。

iPadのコンパクトさ軽量さを何よりも優先した形

リュウド「バブルラッパー for iPad」480円(税込)
他にKindle用、限定販売のペンケースも用意されている。

同じ、スリーブ型のケースでありながら、「Outdoor Bag for iPad」とは全く反対のベクトルで考えられたケースが、リュウドの「バブルラッパー」です。これは、一言で言えば、iPadジャストサイズで作られたプチプチ付きの封筒です。その重さは28g。多分、これより軽いiPadケースは無いでしょう。価格は480円。これもiPadケース最安かも知れません。iPadの薄さやコンパクトさを最大限に活かそうとした形は、イラストレーターの Youchanによるスタンプをワンポイントにしたデザインも含め、美しいと言ってもいいのではないかと思わせます。冷静に見れば、単なる緩衝材入り封筒 なのですが、それが魅力的なケースに見えてしまう、という、その面白さが重要なのです。

iPadがぴったり入る大きさに作られている。角を丸く仕上げるなど、単なる封筒ではない丁寧な作りが魅力。

iPadも、実際は、それほど凄い技術が使われているわけではなく、既存の技術の組み合わせと、提示の仕方の上手さが、使いやすいツールとして結 実しているもの。だからこそ、ケースとして封筒が自然な形で似合うのです(かつてMacBook Airをジョブスがプレゼンした際、封筒から取り出すというパフォーマンスを見せましたが、あれはサプライズとしての演出であり、iPadは、もっと自然にサプライズではなく封筒が似合うツールなのです)。「バブルラッパー」の、単なる封筒ではあるものの、角を丸く仕上げてあったり、シリコンカバーを付けただけで入らなくなるほどのジャストサイズだったりという細部へのこだわりや、好きに絵を描いたり、シールを貼ったりしてカスタマイズできるフレキシビリティも、iPad的と言えるでしょう。

プチプチによる緩衝効果は、それほど大きくないが、カバンの中に入れた時の、外部からの衝撃程度なら受け止めてくれる。

一発ネタのアイディア商品ではあるのですが、それでも、この「バブルラッパー」には、iPadの周辺グッズを考える際のヒントになるものが詰まっていると思うのです。さらに、個人的にはケースに入れた際も、iPadがちゃんと薄く見える、というのが、「バブルラッパー」の何よりの魅力だと思っています。出来れば、カバンの中では存在感を主張しない、あの薄さがそういう形で活きる佇まいを、iPadに求めたいと思うのです。ただ、そんな薄さを実現すると、保護性能はどうしても低くなるわけで、そのあたりの割り切りも、iPad用グッズを 考える時に考えなければならないこと。使っているだけで、そんな様々な事を考えさせるケースというのも、面倒くさいといえば面倒くさいし、凄いといえば凄いわけで、「バブルラッパー」が使うユーザーを選ぶのはそのせいだと思います。

次のページでは、iPadを机の上で使う際に便利なスタンド三種類を紹介します

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