iPod・ミュージック関連グッズ

更新日:2009年11月29日

高級オーディオの粋を指先サイズに凝縮

まるで江戸時代の印籠や根付のような、人差し指より小さなサイズの中で、iPodなどに繋いで使う本格ステレオスピーカーを実現。その職人仕事の見事さと、精緻な作りは、究極のこだわりグッズです。

音楽とクラフトマンシップの密接な繋がり

「TWINTER WING AFRICAN BLACKWOOD」65,000円(税込)

芸術はプロダクトデザインの成れの果て、という言葉もあるように、ほとんどの芸術品は、極度に先鋭化した職人の手技から、その基本部分は生まれます。それは、例えば柴田是真の漆器のあまりにもソリッドな仕上がりや、葛飾北斎の「菊図」のような偏執的な手技の正確さを見れば分かりやすいでしょう。ダ・ヴィンチの作品群なんか、その典型のような感じです。

音楽において、それは顕著で、楽器職人の高度な技術と、演奏者の修練に基づいた技術が、音の基本を作ります。一方で、それを聴く側もまた、音響設計に基づいたコンサートホールや、少しでも原音に近づくべく設計され、理屈を越えた技術で製作されるオーディオ機器で、音楽に近づこうと試みてきました。高級オーディオ機器が、高級になればなるほど、電化製品というより工芸品に近づくのは、元々、音楽が、様々な手技の積み重ねによる芸術だからかもしれません。

扉を開くと中にスピーカーがある。扉は音を左右に分離する役割も果たしている(ウィングフラップ・リフレクター機能)。

それでなくても、作り手が技術の粋を込めて作るハンドクラフトの製品は、本来、手作りの温かみなんていう言葉で表されるようなものではなく、もっと、研ぎ澄まされた洗練と、思い入れに溢れた過剰さが矛盾無く融合している、だからこそ、実用に優れ、持っているだけでも嬉しく、そして美くしいものだったりします。まあ、そんな製品は、価格もそれなりだし、一点モノだし、普通の流通に乗ることも少ないので、手に入れるのも難しかったのですが、最近では、凄い技術とセンスを持つ職人さんやデザイナーさんが、少量作ったものを一般に買える価格で流通させるというケースも出てきました。

今回紹介する、超小型スピーカー「トゥインター」も、そんな、本来は売り物として流通することはなかったであろう、ハンドクラフトによる工芸品としての魅力に溢れた、でも、使う事が楽しく、持っていることが嬉しい、まるで、かつての高級オーディオのエッセンスを凝縮したような、そんなスピーカー。しかもiPodなどのポータブルオーディオ用のスピーカーなのです。

本格オーディオとしての小さなステレオスピーカー

通常のステレオミニプラグで接続できる。定格入力は0.3W、最大出力は0.5Wの無電源ステレオスピーカー。

そのサイズ(折畳み時の実測、W60×H17×D10mm)と仕上げの美しさから、どうしても工芸品的な魅力に目が行きがちな「トゥインター」ですが、実は、細部まで考えられた本格的なスピーカーです。例えば、いわゆる小型スピーカーの欠点である、左右のスピーカーがきちんと分けられていないことに不満を持った作者による、完全なセパレート設計。左右のスピーカーが独立している上に、携帯時はスピーカーの保護カバーになっている扉によって、左右のスピーカー同士が近過ぎて、音が混ざりやすいという欠点も克服。その結果、この大きさからは考えられないほどの臨場感とステレオ感が得られます。

スピーカー部分のネットや扉をカチッと閉める心地よさを生むネオジウムマグネットによるフラップストッパーなど、細部まで丁寧な仕事。

もちろん、スピーカー径は約8mmと、そんな小さなスピーカーユニットはどこに売ってるんだ、というようなものですから、いわゆる「良い音」には程遠いです。しかし、例えば同じ程度、またはこれより口径が大きなスピーカーを使っている機器(例えば携帯電話やネットブックなど)と比べた時、明らかに聴きやすい音が鳴るのです。それは、例えばケースにはアフリカンブラックウッド(黒檀)が使われているとか、前述のセパレート設計とか、このサイズにちゃんとしたスピーカーネットが被せられているとか、ムードが良くて錯覚するとか、好きな位置に動かせるからベストポジションを見つけやすいとか、色々、要因はあるのだろうけれど、まとめれば、そのサイズから想像するよりよい音がする、という感じでしょうか。

使える工芸品を持ち歩く喜び

ギリギリまで削られ、丁寧に磨かれて仕上げられた木目が美しい。触り心地と程よい重量感も感動的

江戸の通人や道楽者は、この人と目を付けた職人さんに、意匠を凝らした根付けや印籠を作らせて、それを持ち歩いて、使って楽しみ、見せて楽しんでいたそうですが、この「トゥインター」には、そんな印籠などと同じような魅力があります。この木の加工技術の素晴らしさだけでも、触って驚き、見せて嬉しいものなのです。ギリギリまで薄く削られ、スピーカーを仕込んであるとは思えないサイズの中に、扉が開いて中からスピーカーが覗くという可動部分があって、そのスピーカーにはネットが張られていて、何より表面の木の木目の美しさや密度感に、クラフトマンシップの粋を感じてしまう、小物好きには堪えられない作品といっても良い製品なのです。

名刺入れに、iPod nano、トゥインター、ケーブル、ノート、筆記具まで入れて持ち歩くことも出来る。ミニマムな書斎環境だ

ガイド納富は、鞄工房土屋さんの「100枚入る封筒型名刺入れ」(販売終了のようです。m+さんが100枚入る名刺入れを準備中らしいので、使いたい方はそちらをどうぞ)に、名刺とThinking Power Notebookの新作、名刺サイズの大学ノート「ライモン」、それにiPod nanoとオーディオケーブル、もちろん「トゥインター」を入れて、ポケットに忍ばせています。名刺入れの中に、音楽環境と筆記環境が入ってしまうというのも楽しいのですが、そこに高級オーディオのレベルの技術を使ったスピーカーが入っているというのが、もう、嬉しくて嬉しくて。

ガイド納富の「こだわりチェック」


今回の記事では、ガイド納富が購入した「トゥインター」を紹介していますが、この「トゥインター」、一つ一つ、作家さんによる手作りによる一点モノ。しかも、ガイド納富のものはブラックウッドですが、素材もアルミ削り出しのものなど様々です。扉がないタイプや、さらに小さく細いタイプなどもあります。価格も65,000円を中心に、モノによって多少上下します。購入の際は、銀座五十音さん(扱いは五十音内のデジュウオンさんです)に出向いて、実際に実物を見て、触って、好みのものを指名買いするのがお勧めです。遠方の方で、どうしても欲しいという方には、信頼文具舗さん内の信頼電具舗さんが通信販売を行っています。また、高価ではありますが、改造とメインテナンスのサポート付きですし、PVC製のカッコいい特注ケースも付きますからお得感もあります。

とはいえ、一個作るのに1ヶ月以上かかるという「トゥインター」。しかも作られているのはお一人ですから、量産は利きません。特に生産量を限定するということはないらしいのですが、最初の20個を売切ったら、次の発売はいつになるか分からないそうです。とにかく趣味性が強いスピーカーですから、買う人を選ぶと思うのですが、「こだわりグッズ」といえば、これ以上のものはない程の「こだわりグッズ」です。いつか、螺鈿入りのトゥインターを発注したいとか、iPodと直結できるプラグはないものかとか、考えながら、仕事中のBGM用にも使っています。バード電子さんのスピーカーもそうですが、このタイプのアンプレスのスピーカーは、何故か耳に優しく、長く聴きやすいのでした。

<関連リンク>

「トゥインター」を実際に聴いて購入できる銀座五十音のホームページ
「トゥインター」は五十音の新部分、「デジュウオン」の製品第1弾です)

「トゥインター」の通信販売を行っている信頼文具舗のホームページ
「トゥインター」に関しては「信頼電具舗」の名前で販売中)

Thinking Power Notebook「ライモン」の情報はこちら

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