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髪の老化とアンチエイジング

切れ毛、抜け毛、薄毛など髪の老化は見た目にも老けた印象を与える原因になります。ホルモン、遺伝、生活習慣、ストレス、間違ったヘアケアなど髪の老化を招く原因とその対策を紹介しましょう。

宇山 恵風

執筆者:宇山 恵風

アンチエイジングガイド

髪の老化をチェックしましょう

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髪の量や色は見た目年齢に大きな影響を与える
健康な髪は1日に0.3~0.4mmずつ伸び、50~100本ほど抜けます。生活習慣や遺伝などで個人差はありますが,、30~35歳をピークにヘアサイクルと呼ばれる髪の成長周期が乱れ、髪の老化が始まります。

髪の量や色は、見た目年齢に大きく影響するものです。できれば髪の老化を遅らせて、元気でキレイな髪を保ちたいものです。そのためには、早めに髪の老化のサインを見つけ、その原因となる生活習慣を見直したいものです。

ガイドは髪の老化の主な原因を次の5つに分類しました。

やせ髪老化……髪の栄養不足によるもの
ダメージ老化……紫外線や乾燥によるもの
刺激老化……ヘアケア用品などの使いすぎによるもの
ホルモン老化……ホルモンバランスの変化によるもの
ストレス老化……疲れや心の悩みなどによるもの

この5つの老化にについて、その原因と対策を紹介します。

■やせ髪老化

髪の栄養不足によるやせ髪老化

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髪の栄養のためにも良質なタンパク質を1日100g程度は摂りたい
次のような人はやせ髪老化の危険があります。

□髪が細く、コシもなく、切れ毛が増えた
□インスタント食品や加工食品をよくとる
□アルコール、炭酸飲料などをたくさん飲む
□冷え性で血行が悪い

髪の栄養に必要不可欠なのは、良質のタンパク質。その中でも、髪は「ケラチン」というタンパク質を中心にできています。無理なダイエットや加工食品に頼る食生活では、良質のタンパク質が不足しやせた細い髪になってしまいます。アルコールや炭酸飲料を摂り過ぎることで食事のバランスが崩れ、栄養が偏ることも十分考えられます。

髪を栄養不足にしないためにも、赤身の肉、鶏肉、魚、大豆などの良質なタンパク質をバランスよく食べましょう。できればこれらのうちの数種類を1日100gぐらい摂るように心がけてください。

また皮膚や爪、髪の毛の細胞が新しい細胞を生み出す力を高めるミネラルとして、「亜鉛」「マグネシウム」を多く含むナッツ類やカキ、卵、ラム肉、ヨーグルトなども摂るように心がけましょう。

ビタミンB群(ビタミンB1、B2、ビオチン、葉酸)も、髪を作り出す細胞の再生力を高めるビタミンとして不足しないようにしましょう。

最近では、髪の栄養を補給するためのマルチビタミンのサプリメントも販売さています。まずはバランスのいい食事を心がけ、それをサポートするためにサプリメントでビタミンやミネラルを補ってください。

髪の栄養補給には血行促進を

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生え際から頭頂部に向かって軽く指を押し当てながらマッサージすると頭もスッキリ!
タンパク質やビタミン、ミネラルなど髪を育てる栄養を、血流に乗せて届けるために、血行促進も大切です。

運動をして血行を良くしたり、頭皮のマッサージをするのもオススメです。ガイドがよく行なう頭皮マッサージは、髪の生え際から頭頂部に向かって10本の指の腹を頭皮に当てながら押します。爪を立てずに気持ちいい刺激で30秒ぐらい行うだけでも、頭がスッキリしますよ。

■ダメージ老化

紫外線や乾燥による髪のダメージ老化

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乾燥や紫外線のダメージで髪の老化が早まることもある
紫外線や室内の乾燥によって、髪もダメージを受けます。次のような人は要注意。

□髪の色が赤茶色っぽくなった
□枝毛が多くパサついてまとまりがない

枝毛や切れ毛は、髪が乾燥して水分量が不足していることが原因です。髪の毛の水分量はシャンプー直後には35%程度に上がりますが、これでは水分を吸いすぎて切れやすくなってしまいます。最適な髪の水分量は15%前後。加齢や環境によって10%以下に落ち込んでしまうと、パサつきや切れ毛の原因になりますから注意しましょう。

キューティクルは髪の外側を覆う魚のウロコのようなもので、髪の水分量を一定に保ち、ツヤやコシのある美しい髪に見せる大切な保護膜の役割をしています。シャンプーやドライヤーは、キューティクルを剥がしてしまいますので注意して行ってください。

キューティクルを傷つけない刺激の少ないシャンプー剤としてガイドのオススメは、「アミノ酸系」。弱酸性で肌に刺激の少ないもの、さらにキューティクル保護成分が含まれるものを選びましょう。

シャンプーの後に髪を乾かす場合、タオルで髪をこするとキューティクルを傷つけてしまいます。吸水性のいいタオルでトントンと髪をたたいて水気を落として乾かすようにしましょう。

またドライヤーは髪から20cm以上離し、手ぐしで髪をほぐしながら半乾きくらいまでで終わらせ、髪を乾燥し過ぎないように注意しましょう。逆に、自然乾燥も頭皮のかゆみや臭いの原因になるので避けましょう。空気が乾燥した部屋で仕事をするときは加湿器を利用すると、髪にも肌にも良く一石二鳥です。

紫外線も髪のタンパク質を酸化させ錆びさせて老化を早める大きな原因になるので、帽子や日傘を使って、紫外線ダメージから髪を守りましょう。最近では日焼け止め成分を含んだスタイリング剤も販売されています。

■刺激老化

ヘアケア用品などの使い過ぎによる髪の刺激老化

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スプレー、ワックス、ヘアアイロン、きつく結ぶ髪型などは髪の老化につながる恐れあり
オシャレのために行なっているヘアケアが、髪にダメージを与えて老化させているかもしれません。次のような人は要注意。

□1日に何度もシャンプーする
□髪をきつく結んだり、ヘアピンを使ってアップにすることが多い
□ワックスやスプレー、ジェルなどのスタイリング剤をよく使う
□カラーリングやパーマをかけて髪が痛んでいる

1日に何度も髪を洗う人を見かけます。男性もサラサラした髪を強調するスタイルが人気なので、頭皮の皮脂を落とすために必死になってシャンプーする人が多いようです。皮脂を落とし過ぎると頭皮のバリア機能が落ちて、細菌感染や炎症を起こしやすく、髪の成長に悪い影響を与えます。シャンプーは毎日行わなくても、汗をかかない季節であれば2日に1回でも大丈夫です。

スタイリングで髪を老化させない方法

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頭皮に負担をかけるヘアスタイルやおしゃれをしたらしっかりと汚れを落として髪と頭皮を休ませよう
ヘアアイロンなどは高熱でキューティクルを痛めてしまうので常用せずに、「ここぞ」というときだけ使用するように心がけてください。

ドライヤーも頭皮と髪を乾燥させ過ぎるので要注意。ドライヤーは20cm以上離して、同じ場所ばかりに熱風を当てないように。

夜会巻きやタイトなアップスタイルが流行していますが、髪を強く引っ張ったり、ゴムできつく結んだりするのも、抜け毛の原因になります。ヘアピンも金属アレルギーを起こす原因になるので使う時間を短めに、汗をかいたらピンを早めに外すなどしましょう。

また、いつも同じ分け目で分けていると、その部分だけ薄毛になったり、髪質が悪化したり、頭皮が紫外線ダメージを受けてしまうので、時々分け目を変えて違ったヘアスタイルを楽しむようにしましょう。

シャンプー、コンディショナーは、頭皮に刺激を与えやすいので、しっかりとすすぎ洗いをして落としましょう。スプレーやスタイリング剤は、なるべく頭皮に付けないように注意しながら使うことを心がけてください。

白髪染め、カラーリング剤、パーマ剤は髪のキューティクルを壊して、切れ毛が多くなり、髪がもろくなります。使用は最小限に。自分で行なうと頭皮に薬剤が付着しやすいので、なるべくヘアサロンでカラーリングをしましょう。ヘアカラーは毛髪にダメージを与え、ツヤやハリが失われます。ヘアマニキュアはヘアカラーよりもダメージが少ないですが、色落ちしやすいのが難点。

ガイドのオススメは「香草カラー」と「ヘナ」。どちらもハーブの成分で白髪を茶色っぽく染める自然由来の刺激の少ないカラーリング剤です。

■ホルモン老化

ホルモンバランスの変化による髪のホルモン老化

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髪の老化とホルモンの関係は深い
抜け毛や薄毛の原因のひとつに男性ホルモンが作り出す物質が影響しています。こんなサインがある人は注意しましょう。もちろん女性も男性ホルモンが分泌されていますので、ご注意を。

□抜け毛や薄毛が気になり、髪にコシがなく細くなった
□頭皮が皮脂でベタついて油っぽい
□髪は薄くなったのにヒゲや体毛が濃くなった
□月経周期が乱れがち、または閉経した

男性ホルモンの一種「テストステロン(TS)」が作りだす「ジヒドロテストステロン(DHT)」という物質は、髪の成長に不可欠な毛根を萎縮させてしまい、髪に悪影響を及ぼして抜け毛を増やしてしまいます。実はこの「ジヒドロテストステロン(DHT)」は、毛髪の成長に関係する「毛乳頭細胞」に働きかけて、髭や体毛を太く長く、濃くする働きも持っています。

髪の寿命(ヘアサイクル)は2~6年で髪の80~90%がほぼ大人になった状態にあり、残りの10~20%が生まれたての状態にあります。しかし、男性ホルモンや加齢によって髪の再生能力が落ちると、髪の寿命(ヘアサイクル)が短くなり、十分に成長せずにハリやコシ、ツヤのない未成長の状態で一生を終えてしまう髪の割合が増え、髪のボリュームも減り、髪質も低下します。

女性の場合、月経周期に合わせて女性ホルモンがきちんと分泌されていれば、女性ホルモンには髪を育てる働きがあるため問題がありませんが、月経周期が乱れたり閉経している人は、男性ホルモンの影響を受けやすいので注意が必要です。

薄毛、抜け毛など髪の老化を改善する2つの治療薬

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男性型脱毛症治療薬「プロペシア」と髪の成長を促進する「ミノキシジル」が注目の治療薬
男性ホルモンが毛根にダメージを与えないようにブロックする薬が「プロペシア(フィナステリド)」で、男性ホルモンによる男性型脱毛症(AGA)の治療薬として世界中で販売されています。

「プロペシア(フィナステリド)」は、医師の指示に従って処方箋をもらって入手する飲み薬。ただし脱毛が進み過ぎるとプロペシアの効果が実感しにくくなるので、髪の老化が気になり始めたら、早めに皮膚科や美容皮膚科の医師に相談しましょう。

「ミノキシジル」は髪の毛根にある毛母細胞に働きかけ、細胞分裂を活発にして髪の成長を促進します。頭皮に塗る育毛剤が多く、市販薬として薬局でも買えますが、専門のクリニックでは市販薬よりも成分の濃い育毛剤が処方されます。ミノキシジルは男性型脱毛症(AGA)はもちろん、女性の脱毛治療にも用いられています。

頭皮の血行を促進する漢方成分を含んだ育毛剤も薬局で販売されています。薄毛や髪の老化対策のビギナーは、日頃なじみのある漢方成分が配合された育毛剤から始めてみるのもいいでしょう。

■ストレス老化

疲れや心の悩みなどによる髪のストレス老化

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悩みやストレス、睡眠不足も髪の老化を早めてしまう
疲れやストレスで髪が老化することもあります。次のようなことが気になる人は注意。

□睡眠不足が続いている
□白髪が急に増えた
□心配事や悩み事を抱えている
□運動などでうまく気分転換ができない

ストレスや疲れ、睡眠不足なども髪の健康に悪影響を及ぼします。ストレスで緊張感が持続すると交感神経が働きすぎて、血管を収縮し血行が悪くなったり、汗をかきにくくなり、老廃物が溜まったりします。また、胃腸の働きも低下して腸が十分に栄養を吸収できなくなり、せっかく食べた栄養が体に行き渡らなくなります。

髪に栄養を運んでくれるのは血液。十分な栄養を血液の中に含ませ、血行を促進して栄養をたっぷり含んだ血液を髪の成長に関係する毛乳頭まで届くようにしましょう。

いい睡眠は緊張感を取り除き、副交感神経を働かせて血行を促進します。髪は肌と同じように、夜の睡眠中に成長や再生を繰り返します。深夜過ぎまで起きていたり、昼夜逆転の生活では髪は成長できないので、規則正しい生活を心がけましょう。

ゆっくりお風呂に入ってリラックスして汗をかくのは、手頃なストレス解消法。さらにガイドがよく行なうヘアパックも試してください。小さじ1杯分くらいの椿油を指の腹につけて頭皮全体に馴染ませ、ブラッシングとマッサージをした後、10~20分ほど蒸しタオルをターバンのように髪に巻いて汚れを浮かせます。蒸しタオルを取ったら軽くもう一度ブラッシングしてからシャンプーすると、髪がツヤツヤ、頭皮はさっぱりして気持ちがいいですよ。

白髪は抜かずに疲れやストレスを解消する

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白髪の原因は不明だが、激しい落ち込みやストレスで白髪が一時的に増えることもあると言われる
白髪は年齢を感じさせるサインだと気にして、せっせと抜いてしまう人も多いようです。白髪が生えるのは、髪の黒い色を作りだすメラニン色素の量が低下することで、色素がない白い毛が生えてしまうのです。

白髪の原因については、ストレスや年齢などが考えられますが、詳しいことはまだわかっていません。

激しいストレスで一時的に白髪が多くなった場合は、そのストレスから開放されれば、また黒髪が生えてくることが多いので、なるべく早くストレスの原因を見つけて対処するようにしましょう。

それ以外の場合は白髪を抜いても次にまた白髪が生えることが多い上、無理に抜くことで毛根が傷つくので、どうしても気になる場合は抜くのは避けて切るようにしましょう。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して肌荒れや不調を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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