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現場発 金融ニュースHOTS
更新日:2009年11月13日
政府は年金を減額しない限り、日航を公的資金で救わないと決定しました。それに対して、すでに日航を退職したOBたちは大反発、財産権の侵害だと訴訟も辞さない構えです。賛否両論、いろいろな議論が飛び交って、解決は容易ではなさそうです。しかし、はっきりいえることは、企業年金の本質的欠陥が明らかになったということです。
政府は日航の企業年金を減額しない限り、日航を公的資金で救わないと決定しました。それに対して、すでに日航を退職したOBたちは大反発、財産権の侵害だと訴訟も辞さない構えです。賛否両論、いろいろな議論が飛び交って、解決は容易ではなさそうです。
日航の年金カットをめぐる現在の議論を要約すると
年金カット要請論
・年金債務を圧縮しないと、資金供給しないという金融機関
・年金受給者が同意しないなら、強制実行へ特別立法を目論む国交省
年金カット反対論
・受給者の財産権の侵害だと反対署名を集める日航OBたち
・年金は元より自分たちのお金だと年金カットに困惑する職員たち
・積立不足があるのは金融機関の責任だという可笑しな責任転嫁論
日航破たん論
・高額な年金を守るために、なぜ公的資金が必要なのか?という一部世論
・日航破たんもやむなしとするハードランデイング論
さて、この議論はどこに落ち着くのでしょうか?
記憶に新しいところでは、2009年のGM救済のときにも同様のせめぎあいがあり、結局は組合側がぎりぎりのところで妥協してGM再生にこぎつけたという事例があります。日本では特別立法までして、年金カットと日航救済を同時に実行しようというのですから、より踏み込んだ政策で民間の航空会社の存続に賭けているといえます。
企業年金の限界を痛感!
ところで、この騒動から何を学べるかというと、私は「企業年金の限界」を知ることだと痛感します。
企業年金の存在は、その企業の存続が前提となっています。国を代表する企業が、こんなに破たんするとは、その昔には想像もできなかったことです。大企業で働く人たちは定年退職を迎えたら、あとは企業年金の恩恵を無条件に受けることができると安心していたものです。
しかし、時代は激変し日本で永続が保証されている会社などなくなりました。企業が破たんしたから企業年金が債権者に抑えられてしまうなんて野蛮なことはないのですが(一時金では起こりうる)、今回のような積立不足があった場合には、その補てん責任を負っていた企業がなくなれば、そのツケは受給者に回るのは仕方ありません。
確定拠出年金がなぜ優れているのか?
このような年金の危機管理という発想からいえば、やはり確定拠出年金(日本版401k)がベターだといえます。確定拠出年金では、会社からの掛け金は拠出された瞬間にすでに受給者本人の名義ですから、差押えや流用の難から守られています。
運用責任についても明確に受給者本人の責任となっています(会社にも金融機関にもその責任は無い)から、今回のような泥仕合となることはありえません。現状でこそ運用成績は元本割れですが、これが10年も20年も続くことは想像できません。受給者にとっても最高のリターンを得られる方法だと確信します。
適格年金が廃止されるのが2012年3月です。それに向けて、確定給付年金か確定拠出年金への移行が企業には求められているのですが、今回のことを教訓として、いかなる事態になっても年金が消えてしまうことのないように、確定拠出年金の導入を進めてほしいものです。