男の腕時計/その他の国の時計

A.ランゲ&ゾーネ「1815」の魅力を再発見

話題を独占する革新的機能を備えなくても、個性を輝かす名品がある。今回のSIHHで目に止まったのが、ドイツの名門A.ランゲ&ゾーネから再登場した「1815」。手作り高級時計の極致が味わえるシンプルウォッチだ。

執筆者:菅原 茂

A.ランゲ&ゾーネ 1815
1815
手巻き、18Kピンクゴールドケース(40mm径)、クロコダイルストラップ、
予価194万2500円(今夏発売予定)

世界初の秒針停止機能付きトゥールビヨンを搭載する「カバレット・トゥールビヨン」まで、SIHHでは毎年のように複雑時計の超大作の発表が続いたA.ランゲ&ゾーネ。動力伝達に鎖引き機構を採用する今年の新作「リヒャルト・ランゲ“プール・ル・メリット”」も、ブランドのモットー「伝統の進化形」を堪能させるそうした「通好み」の時計のひとつ。その対極にあって、むしろシンプルウォッチの魅力を見直すのによい機会を与えてくれたのが「1815」の新生モデルだ。

「1815」のオリジナルはブランド再興初期の1995年に誕生し、創始者フェルディナンド・アドルフ・ランゲを称えて、彼の生年がモデル名に採用された。中2針にスモールセコンド、アラビア数字とレイルウェイ分目盛りを配したこの時計。かつての懐中時計を思わせる独特の味わいが気に入っていた。

A.ランゲ&ゾーネ 1815
1815
手巻き、18Kピンクゴールドケース(40mm径)、クロコダイルストラップ、予価194万2500円(今夏発売予定)

ブランドの中では、いわば隠れたる名優とも言うべき「1815」は、残念ながらカタログから姿を消していたが、今年復活した新生「1815」は、ケースの直径が以前の35.9mmから、より懐中時計の雰囲気を彷彿させる40mmにアップ。手巻きムーブメントも径の大きい新設計のキャリバーが組み込まれている。

A.ランゲ&ゾーネの魅力といえば、オリジナルムーブメントの高品質や高級仕上げ。シンプルでベーシックな「1815」は、人目を引く特別な複雑機能こそ備えないが、それだけに伝統的な機械式時計の魅力をじっくり味わうには最適のモデル。その良さがわかることが「通」への近道なのだと思う。


【問い合わせ先】
A.ランゲ&ゾーネ
TEL: 03-3288-6639
www.lange-soehne.com
  • 1
  • 2
  • 3
  • 6
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます