BMW

更新日:2009年12月01日

V8ツインターボの史上最強ハイブリッドX6

V8ツンターボエンジンと2基のモーターを搭載したBMWアクティブハイブリッドX6をマイアミで試乗してきました。システム出力485psの最強フルハイブリッドの走りは……。

エゴを“より多く”求める人向けエコカー

BMWアクティブハイブリッドX6
今年のフランクフルトショーに発表された、BMWアクティブ・ハイブリッドX6。最高出力407psを発生するV8ツインターボエンジンと91psと86psの2つのモーターを組み合わせた駆動システムをもつ。サイズは全長4877×全幅1983×全高1697mm

要するに、ハイブリッドかディーゼルか、はたまたEVか、なんて“択一”の議論は意味ナシ!ということである。ハイブリッドにだって何種類もあるわけだし、ユーザーはいろんな選択肢の中から、自分の好きな3つのE(エコノミー、エコロジー、エゴイスティック)の配分を決めて、クルマ選びができればそれでいいのだ。

というわけで、クルマにエゴを“より多く”求める人向けのエコカーとして、ドイツのプレミアムブランドが相次いでハイブリッドカーをリリースし始めた。何がエコなのか、その絶対的な価値と意義の判断はこの際、脇におこう。ここではエゴなクルマでもちょっとはエコに貢献したい、程度のものと考えておく。ユーザーにしてみれば、パフォーマンスは譲れない、そして精神的にもよろしい、というわけ。もちろん、メーカーにもメリットはある。

ほんの数年前まではディーゼルターボ一辺倒だったし、ハイブリッドなんてニッチでセットアッパーだと公言して憚らなかった(実は欧州市場では今もそのまま)彼らも、北米市場を中心としたプレミアム層の環境意識の高まりや、贅沢税とも言うべきEUのC02排出量制限に対応するため、スーパーサルーンや高級SUVを中心に、エンジン+モーターのハイブリッド車投入を決心せざるをえなくなったのだった。次世代クリーンディーゼルとハイブリッドをここ数年のエコ対策の両輪に据えたのだ。

まずは、高級車からハイブリッド。その理由は簡単だ。

1:コストの反映がラク。高いクルマに“エコ”という新しい付加価値を付けるのだから、さらに高くなっても売れるはず。(そういう意味では、プリウスのあの値段はやっぱり自動車産業にとってはしんどい話だよなあ。デフレの先駆者ですわ)

2:重量の反映がラク。ハイブリッドはエンジンとミッションがそのまま残るから、バッテリーとモーターと付帯システム分だけ数十~二百キロくらい重くなる。システムにもよるけれど、1トンのクルマより2トンのクルマの方が割合的に吸収しやすいのは当然。

3:ブランドイメージの向上に繋がる。ハイブリッドは今、最高の売り文句。先進的なイメージも強い。利用しない手はない。

4:CO2を減らせる。アイドリングストップやEV走行、回生ブレーキ、エアコンなど装備の効率化、などによってガソリン高性能車に比べると劇的に減る。EU規制への対応もメドがたつ。

ざっと、こんな感じだ。というわけで、ドイツプレミアムブランドは、M・ベンツ+BMW(&GM)とVWグループ(アウディ、ポルシェ)に分かれて、ハイブリッドカーをこれから続々と市場に投入する。主なターゲットはもちろん、アメリカ市場だ。

BMWアクティブハイブリッドX6
ノーマルモデルとの外観上の違いは、テールゲートとドアに付けられたエンブレムとボンネットのパワードームのみとなる

日本へも既にメルセデスがSクラスハイブリッドを投入した。これは、モーターが1個のいわゆるマイルドハイブリッドで、来年やってくるBMW7シリーズも当然ほぼ同じ方式。今回リポートするBMW アクティブハイブリッドX6には、それらとは違ってモーターが2個積まれるフルハイブリッドタイプ。街中では可能な限りEV走行(~60km/h)させて、パワーが必要なときには2個のモーターがともにV8ツインターボエンジンを支援するという、エコ/エゴの極致というべき仕立てだ。史上最強のハイブリッドカーである。

ちなみに、M・ベンツは同じシステムでもエンジンをダウンサイジングする方向に向いており、燃費とダイナミック性能それぞれを向上させたいBMWとは、コンセプトがかなり違うと言っていい。それがブランドの個性というもので、一概にどっちがどうだと決めつけるわけにはいかない。同じになったら、それこそツマラナイ(まあ、たとえ6気筒同士になっても、色の違いは出るとは思うけどね)。

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西川 淳

カウンタックLP400を愛車に持つガイドが、「趣味のクルマ」の世界をお届けします!

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