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愛されるがゆえに批判される悲しき名車 スカイラインのジレンマ

「あれはスカイラインではない」とまで一般ユーザーに酷評される現行型スカイライン。なぜ日産は大胆なモデルチェンジを行ったのか、ユーザーは何を思って批判するのか、分析してみました。

執筆者:大江 治利

2001年にデビューしたV35型スカイライン、はっきり言って不評ですね。昨晩も、たまたま行った飲み屋で「なんであんな格好になっちゃったの?」という会話がなされていて、思わず解説してしまおうかと思ったくらい。

開発者の側からも色々言いたいことがあるとは聞きます。そこで今回のクローズアップでは、現行型の登場で図らずも明らかになった「スカイラインのジレンマ」について論じてみましょう。

現行型で11代目となるスカイラインは、元々は日産ではなくプリンスという自動車メーカーのクルマでした。このプリンスが日産と合併し、同じくプリンスのモデルだったグロリア用の直列6気筒エンジンがスカイラインに搭載されてレースで活躍・・・、なんて話はご存知の人も多いでしょうが、ある時代までのスカイラインは、国産車で唯一ともいえる強烈なストーリー性を背後にもったブランドだったのだと思います。

例えば「櫻井眞一郎という天才的エンジニアが開発に携わっていた」「(実はその限りではないのですが)歴代モデルが丸型4灯テールランプを採用していた」「レース用にGT-Rというグレードが用意され、それが第一回日本グランプリでポルシェと死闘を演じた」「4代目の通称ケンメリでは、排ガス規制によりわずか197台しかGT-Rが生産されなかった」などなど。

そしてその伝説は、1989年にデビューしたR32型にGT-Rが復活し、サーキットで再び大活躍したことで、より強固なものになりました。ところが皮肉なことに、その大人気となったR32型でさえ旧型モデルであるR31型、通称7th(セブンス)よりも販売台数は少なく、以後R33型、R34型と右肩下がりで販売台数を減らしているのです。

RVブームの到来や、クルマの趣味の分散化など理由はいくつか考えられますが、これを「プロダクト」と「マーケティング」観点から分析すると、プロダクト(=クルマとしての性能)はR32型以降も基本的に一貫して向上しています。ただ、それはクルマ作りの思想が変化していないことの裏返しでもあって、ユーザーのニーズに合っていたかというとその限りではありません。つまりマーケティングに失敗しているのです。

というか、スカイラインという名前を付ける以上、「こうでなければいけない」という暗黙の了解が、開発側にもユーザー側にもあることは間違いありません。そして、その縛りが結果的にマーケットを限定し、スカイライン=売れないクルマとなってしまったのでしょう。

例えば飲み屋で「スカイラインは終わったな」とうそぶく輩が、仮にスカイラインが自分好みのクルマだったら実際に買うかというと、ほぼ間違いなく買わない、または買えないと思います。そして、悲しいかなファンが多いスカイラインは、実際には買ってくれないファンによって批判されるのです。

これは知名度の高いタレントが、人気調査で「好き」の部門でも「嫌い」の部門でも上位にランキングされるのに似ています。そしてタレント同様、クルマにも流行り廃りがあるってこと。つまりスカイラインは人気があるがゆえに売れなくなってしまい、それを打破しようと全てを一新したモデルが批判されるという図式だと、私は思うのです。

次にこの運命をたどるのは、現在人気絶頂のレガシィではないかと睨んでします。なぜなら、昔スカイラインに抱いていたイメージに近いものを人々は現在のレガシィに抱き、またかつてスカイラインに乗っていた人が今ではレガシィに乗っているからです。

栄枯盛衰とはいったもの。さて、スカイラインおよびレガシィは今後どのようなマーケティング戦略を取ってくるのでしょうか? 中古車での人気ともども、動向に注目です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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