文章:松下 宏(All About「クルマの賢い買い方・売り方」旧ガイド)

濃いクルマ好きのユーザーにはお勧め
小さくて軽くて燃費の良いクルマこそが良いクルマであると考えている私にとって、まあなんというかほとんど天敵みたいな存在がクライスラーの300Cです。そんなクルマだからこそ、逆にきっちりと記事にしておきたいと思います。
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| エクステリアデザインも押し出しが強くアメリカンなスタイル |
300Cは本国アメリカではわずかな期間で11万台もの販売を実現したクルマですが、これは300Cが完全にアメリカ向けのクルマであることを示しています。ボディの全長が5mを超え、当面の設定は左ハンドル車だけ、搭載エンジンの排気量はV型6気筒3.5LとV型8気筒5.7Lというバリエーションですから日本に導入するクルマとしては半端ではありません。
ボディが大きすぎるためタワーパーキングに入らないケースがありますし、小回りが効かないので狭い場所での取り回しにも苦労することになります。5.7LエンジンはNASCARで活躍した伝説のエンジンともいえるHEMIの名を関していて250kW(340ps)の圧倒的なパワーを発生します。メルセデス・ベンツ製の5速ATとの組み合わせによって、豪華な加速フィールを味わえる動力性能ではあるのですが、そのパワーで車両重量が2tを超えていますから、都内の実用燃費が5km/Lを切るのは間違いないでしょう。
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| ややクラシカルな4本スポークのステアリングが目を引くインパネ |
価格は3.5が462万円で、5.7HEMIが567万円です。レジェンドが3.5Lで500万円であることを考えると462万円の価格には割安感があるともいえますが、アメリカでは大きなクルマが安いという理由で売れているのですから、日本でプレミアムブランドを狙って売るのが成功する方法とは思えません。
ただ、先に開催された東京オートサロンでは発売前の300Cが何台も出品されていました。300Cの出品台数は10台を大きく超えていたとのことです。正規輸入車が発売される前に多くの並行輸入車が入ってきて、それがチューニングやドレスアップのベースにされるというのは、このクルマの持つポテンシャルが極めて高いことを意味しています。
濃いクルマ好きのユーザーのハートには、強く響くものがあるクルマということなのでしょう。プレミアムな方向に走るのではなく、そのようなユーザーを意識した売り方をすれば、案外良く売れるクルマになると思います。(日本ではクルマは右ハンドルであるべきですが)そんなユーザーには左ハンドルであっても問題ないというか、逆に左ハンドルが支持されるでしょう。
そして300Cを買うなら、どうせなら5.7HEMIにするのが良いと思います。300Cらしいマッチョなアメリカ車らしい走りが楽しめるのは5.7HEMIだからです。3.5は排気量が3518ccになっていて、わずかな違いで税金がひと区分高くなってしまうのも勧めにくい理由です。