輸入車/注目の輸入車試乗レポート

フランスはディーゼルがお好き?

フランスに行った人は、街を走る乗用車の多くがディーゼルだということに気づいただろう。今回はフランスのディーゼル車の現状を紹介するとともに、どうしてディーゼルが多いのかについて考えてみた。

執筆者:森口 将之


ディーゼルが多いのはフランスだけではない。ヨーロッパ全体で人気だ。欧州自動車工業会(AECA:http://www.acea.be/)のデータによると、昨年EU15カ国で新車登録された約1400万台の乗用車のうち、ディーゼルの比率は40.9%にもなっている。5%にも満たない日本とは大きな違いだ。

中でも比率が高いのがフランス。約10年前の1992年には39.0%だったのが、2000年には49%とほぼ半分になり、昨年は63.2%と6割を越えてしまった。もっとも、フランス以上にディーゼル比率が高い国もあって、たとえばオーストリアは69.6%、ベルギーは64.3%にもなっている。



知っている人もいるかもしれないが、ディーゼルエンジンを最初に乗用車に搭載したのはメルセデス・ベンツで、1936年に2.6リッターの260Dを発表している。フランスではプジョーが早くからこのエンジンに注目していて、59年に1.8リッターの403Dを発表したのが最初。その後404(写真)や504などにも搭載していった。

注目は74年に登場した204D。1.4リッターという小排気量のディーゼルを横置きし、前輪を駆動していたからだ。FF初のディーゼル乗用車というと、日本ではフォルクスワーゲン(VW)ゴルフだと思われているようだが、204Dはその3年前にこれを実現していた。初の小型ディーゼル乗用車、しかも時代はオイルショック直後ということで、かなり注目されたようである。



シトロエンがディーゼル乗用車をデビューさせたのは翌75年。当時のフラッグシップCXに、商用車に積まれていた自社開発の2.2リッターを積んだ。そして79年にはルノーが、ラグナのルーツにあたる20(写真)に、新開発の2.1リッターを搭載。これで3メーカーすべてにディーゼルがそろった。
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