一方のセザムは、107のプロトタイプという噂が高いクルマ。たしかに3.7mの全長は106に近い。1.67mという幅も標準的だ。ところが全高は1.63mもある。そして2枚のドアはスライド式に開く。狭い場所でも楽に乗り降りできるようにという考えから生まれたのだろう。ホイールベースが2.31mと、プジョーとしてはかなり短めなのも特徴だ。現行の106とは正反対のパッケージングである。

全体的には、短いミニバンという感じ。ノーズは短く、ウインドスクリーンの前端はほぼ前輪の車軸と同じだ。そしてウインドスクリーンの後端は、307SWと同じようにそのままガラスルーフへとつながっている。スライドドアは電動式。機能性を重視した大きく頑丈そうなドアハンドルは、郵便配達などビジネスユースを考えたためかもしれない。

スライドドアのレールはそのまま後ろまで回り込む。跳ね上げタイプのリアゲートは、中央にSUVのようなスペアタイヤカバーが付くのが目を引く。全長が短く、スペアタイヤをラゲッジスペースに寝かせて置けないので、こういう方式になったということだ。エンジンは206などでおなじみの1.6リッターDOHC、トランスミッションは電子制御MTで、サスペンションはシトロエンC3と同じ、マクファーソンストラット/トーションビームの組み合わせになるという。

室内は、ブルーとイエローの2トーンカラーを除けばわりとオーソドックス。エアコンの吹き出し口はシトロエンC3と同じもののようだ。室内の長さは短いが、リアシートには大人が2人座れるだけのスペースは確保してある。パッと見にはリアシートへのアクセスがしにくそうだが、狭い場所ならむしろこのほうが乗りやすそうに思えた。それにしても、もし107がこのようになったら、S16のようなモデルはどうするのだろうか? 106S16オーナーとしてはそれだけが気がかりだ。