見どころ早分かり! ベルギーのエリア
ベルギーチョコは日本でも大人気
美味しいものに貪欲な日本人にはチョコレートやワッフルで知られ、世界的にも「美食の国」として評判のベルギーは好感度の高い国のひとつでではないでしょうか。その反面、意外と国そのものについてはあまりよく知られていないかもしれません。
ベルギーはオランダ、ルクセンブルクとともに「ベネルクス3国」のひとつ。総面積は約3万平方キロメートルで、日本の四国の1.5倍、もしくは関東地方よりやや狭いといったところ。左右からは大国フランスとドイツが押し挟み、上からはオランダが頭を押さえつけていて地図上ではちょっぴり窮屈そう。こんな小ささですから国内はシンプルにまとまっている気がしないでもありませんが、それは全くの見当違い。意外に複雑な背景を持っています。
まず押さえておかなければならないのが「北部と南部で国が大別できる」ということ。国の真ん中あたりで水平に線を引き、上下を分断してみましょう。分けた部分の上側が「フランダース地域」、下側が「ワロン地域」です。5世紀に弱体化したローマ帝国がフランク族の侵入を受け南部へと逃れたことで、ゲルマン系とラテン系に民族が分かれました。ここから北部のゲルマン系はオランダ語を話し、南部のラテン系はフランス語を話すという現在につながる流れができたのです。
夏に一般公開される王宮©OPT-J.L.Flemal
そして現在この両地域に、行政区分で考えるならば「ブリュッセル首都圏地域」を加えなければなりません。「ブリュッセル首都圏地域」は、地理的には北部のフランダース地域に位置しながらも、北部と南部の言語文化を同時に持つ特殊な地域。ですからベルギーは言語文化が異なる南北ふたつの地域が、首都ブリュッセル地域を軸としながら微妙な力学でバランスをとっているともいえるでしょう。さらに言えば、ベルギーはアルベール2世を国王にもつ立憲君主制の国。王室の存在もまたベルギー人の心を結びつける大事な役割を果たしています。
もちろん異なる文化と言語圏がひとつの国としてまとまるためには、国家の陰なる苦労と努力があることでしょう。しかし観光客にとっては、北部と南部のコントラストは大変に興味深いものです。毛織物の交易で繁栄を極めた中世の面影はそのままに、今もダイナミックな発展を止めない刺激的なフランダース地域。風光明媚な自然がどこまでも広がり、壮麗な古城や小さな村々が宝石のように散りばめられたワロン地域。世界にベルギーの存在感を誇示し続ける「欧州の首都」ともいうべきブリュッセル首都圏地域。小国ながらもひとつの色には決して染められない多様さを秘めた国、それがベルギーです。
ではこの3つのエリアを「ブリュッセル首都圏地域」「フランダース地域」「ワロン地域」の順で見ていくことにしましょう。