カーメンテナンス/車の点検ポイント

不調の原因となるため定期的な交換が必須! 燃料フィルターの交換

燃料ラインにもゴミをろ過するフィルターが組み付けられている。それが詰まってしまうとエンジン不調の要因となるため、やはり定期的な交換が必須となっているのだ。

執筆者:鈴木 伸一

 ガソリンの給油時、燃料キャップを外した状態となるため、状況によっては燃料タンク内に砂埃や雨水が入り込んでしまう。また、季節によっては温度差によって生じる結露で水が溜ることもある。
 このような異物や水分が混じったガソリンをそのままエンジンに圧送してしまうと、キャブレターや燃料噴射ノズルを詰まらせるなど、エンジンの不調の原因となってしまうのだ。このため、燃料ラインの途中にはゴミや水分の除去を目的とした「濾過器」が必ず取り付けられている。
 それが「燃料フィルター」で、幾重にも折り曲げた円筒形の濾紙を密閉ケースに収納したカートリッジ式が一般的。で、近年、滅多にお目にかからなくなったキャブレター仕様は半透明のプラスチックケースに、現在主流の電子制御燃料噴射仕様は燃料経路に高圧がかかるため金属ケースに組み込んだものが使われている。
 ところが、異物を濾過しているため使用していれば当然、詰まりを生じる。4~5万kmも走ると内部の濾紙はまっ黒になり、淀んだ燃料も溜まってくるのだ。例えば、上の写真は約7万km走行したクルマから取り外した燃料フィルターを分解した物で、新品時、鮮やかなピンク色だった濾紙はまっ黒。ケースの底にはどんよりしたガソリンが溜まっていた。
 この程度であればまだ、目に見えたトラブルは生じないが、限界を超えれば発進・加速時など流量が増えたときに必要な量を流しきれなくなってガス欠症状を引き起こすようになる。このため、キャブレター仕様で4万~5万km走行ごと、燃料噴射仕様では10万km走行(車種によっては4万~5万km走行)ごとに交換するよう推奨されている。詰まってるかどうかは外観からは判別できないので、交換推奨距離(4万~10万km)に達したときは迷わず交換したい。
●燃料フィルター交換
1.設置場所を確認する
燃料フィルターは通常、エンジンルーム内に設けられているが、車種によっては燃料タンクの近辺やタンク内にセットされている。エンジンルーム内の燃料ホースを辿ってみて、それらしいケースが見あたらなければ、そのいずれかだ。
2.ホースバンドを緩める
ホースを引き抜くと燃料が吹き出すため、接続パイプの下にウエスを敷き詰め、周囲に飛び散らないよう準備してからホースバンドを緩めてやる。
3.燃料ホースを引き抜く
バンドを緩めたなら、燃料ホースをまっすぐ引き抜く。この際、多量の燃料が漏れるため火気厳禁!要注意だ。なお、車種によってはフレアナットやバンジョーボルトで接続されいる。そのときはスパナやフレアナットレンチを使用して切り離すが、バンジョーボルトの場合は両面にワッシャーがはまっているので紛失しないよう注意が必要だ。
4.ホルダーのロックを解除する
ホルダーのロック、もしくは固定ボルトを外して燃料フィルターを抜き出す。この際、組み付け方を確認しておくことが肝心!
5.燃料フィルターを組み替える
用意しておいた新品の燃料フィルターを元通り組み付け、定位置に固定する。
6.燃料ホースを接続する
燃料ホースを接続してホースバンドをしっかり締め付ける。バンジョーボルトの場合、バンジョーの両面にワッシャー(1度外したら新品と交換が原則)をあてがいながら素手でねじ込み、手で回らなくなったところで工具に持ち替えて本締めする。
7.完成
これで完了だ。このようにエンジンルーム内に設置されているタイプなら、交換作業自体それほど難しいものではない。しかし、交換時には多量のガソリンが漏れるため、無理は禁物。また、燃料タンク周辺に設置されていた場合、位置の特定が難しく、かつ外しにくいため難易度はいっきに高まる。このため、自信がなければ素直にプロに交換を依頼したい。
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