カーメンテナンス/車の点検ポイント

エンジンオイルの交換方法

エンジンオイルの交換サイクルは諸説があるが、10万kmオーバーを目指していて常にベストコンディションを維持したいと考えていたなら、早目に交換。5千km走ると目に見えて劣化してくるからだ。

執筆者:鈴木 伸一

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 エンジンオイルの交換サイクルは諸説があるが、5万~6万kmでポイとクルマを手放してしまうつもりだったら、カーメーカーの指定値(一般に1万~1万5千kmくらい)に従っていれば問題はない。何かあったとしても保証も効くからだ。
しかし、10万kmオーバーを目指していて、常にベストコンディションを維持したいと考えていたなら、早目に交換するにこしたことはない。人間の身体もそうだが、若いときの無理が歳をとってから響いてくるからで、カーメーカーの指定値の半分。5千km前後を目安に交換することをおすすめする。オーナーズマニュアルなどに書かれている「1万km毎」は最良の条件下における最大値。実走行では5千km走ると目に見えて劣化してくる( 上の写真の右側が約5千km走行したオイルで、左側が同グレードの新品オイル。ドス黒く変色してドロドロ、明らかに劣化している)からだ。
また、空気に触れたまま時間が経つと酸化による劣化が進行。6ケ月以上放置してしまうと潤滑能力が低下してくるので、走行距離が短かったとしても半年に1度は交換する必要がある。
さて、エンジンオイル交換は大手カー用品ショップの会員になってしまえば工賃無料で、厄介な廃油の処理の心配もしないで済む。が、オイルパンに取り付けられたドレンボルトを外して排出させ、エンジン上部の注入口から新品オイルを注入するだけと、馴れてしまえば簡単!基本的なメンテナンスの1つでもあるので、1度くらいは経験しておきたい。

1.ドレンボルトの位置を確認
平坦な場所にクルマを止め、エンジンが冷えていたなら10~15分くらい暖気運転を行ってエンジンオイルを温めてやる。エンジンが冷えているときはオイルの流動性が悪く抜けきるのに時間がかかってしまうからで、暖めた方がスムーズに作業できる。ただし、走行直後だと熱すぎて火傷する可能性があるため、逆にちょっと冷ました方がいい。また、エンジンオイルの排出口(ドレン)は、エンジン下部のオイルパンに設けられている。側面もしくは真下からボルト(頭のサイズで14mm~19mm)がセットされており、エンジンの真下を覗けば、すぐに見つかるはずだ。

2.ドレンボルトを緩める
エンジン底部に廃油受けを押し込み、オイルパンに設置されているドレンボルトにメガネレンチをセット。反時計方向に回して緩めてやる。

●使用する工具と力の加え方に注意!
ドレンボルトは固く締まっているため、スパナを使用すると角がつぶれて外れなくなってしまう。このため、メガネレンチもしくはソケットレンチの使用が原則!また、力任せに回しても緩みやしない。レンチのヘッド部分を外れないよう押さえつつ、ハンドル部を叩くような感じに一気に力を加えるのがコツだ。ただし、中途半端に叩くと緩まないばかりか手が痛くなるので注意。思い切って叩くこと肝心だ。

3.廃油受けをセットし、ドレンボルトを外す
ドレンボルトが緩んだなら廃油受けをドレンの下に配置し、ドレンボルトを素手で押し付けるようにしながら回していき、ネジ山が外れたところで一気に取り外す。なお、オイルは放物線を描いてけっこう遠くまで飛ぶので注意!

4.抜けきるまで放置する
ドレンボルトが外れると、一気に廃油が流れ出てくる。そのままの状態で、最後の一滴が排出されるまで放置する。

●パッキンがどこにあるか必ず確認!ドレンボルトには必ずパッキンがセットされているが、脱着するときに紛失しやいので注意!見当らないときは廃油受けに落ちたり、オイルパンに貼り付いてないか必ず確認を!なお、このパッキンは脱着のたびに新品と交換するのが基本だが、2~3回くらいは使い回すことができる。ただし、変形したり破損していたときは交換が原則。ドレンボルトも頭の角がつぶれていたときは交換(カー用品店でも売っている)してしまいたい。

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