カーメンテナンス/車の点検ポイント

猛暑でオーバーヒートしないために 冷却水のチェックをやってみよう

暑い日が当分続くそうですが、こんな時はクルマも夏バテしやすくなってきます。正常なクルマなら何ともないのですが、冷却系に不調を抱えているクルマではオーバーヒートなどに直結しやすくなります。

執筆者:高山 則政

文章 : 高山則政(All About Japan「カーメンテナンス」旧ガイド)

まずは、液量のチェック
 冷却水はまず量がキチンと入っていることが大切です。普段の液量チェックは、リザーバータンクというラジエーターとは別のところにあるタンクで見るのが一般的です。たいていは白っぽい樹脂製のタンクになっていて、外から量が見えるようになっています。もしどこに付いているか分からないようなら、ラジエーターのキャップ付近から出ているゴムホースがどこにつながっているか、たどってみれば分かると思います。

 リザーバータンクには中央付近にFULL、底から数センチの位置がLOWレベルで浮き出し線があります。エンジンが冷えているときにこの2本の線の間に冷却水が入っていればとりあえずOKです。タンクの中間がFULLなのは、エンジンが暖まってくると、冷却水の膨張でタンクへと流れ込んでくるからで、冷えているときに満タンだとあふれてしまうからです。また、タンクの内部が水アカで汚れてくると、いかにも量が入っているように見えて、実は空っぽだったいうことも良くあります。クルマを揺らしてみるなり、キャップを外して覗くなりして、本当に液が入っているかも見た方がいいでしょう。

 液が不足している場合は、適切に希釈したLLC(ロングライフクーラント)か補充液(希釈済み)を継ぎ足します。何度も継ぎ足しを必要とする場合は、液漏れなどを直すのが先決です。国産車では、緑と赤(トヨタとダイハツに多い)が主流なので、それぞれにあった色を選びます。

ラジエーターキャップも外してみよう
 リザーバータンクはラジエーターを常に満タンにしておくための補助タンクですが、肝心のラジエーターに液が入っていないと何にもなりません。そこで、たまに気が付いたときで良いのですが、ラジエーターキャップを外して、口元いっぱいまで液が入っているかをチェックしてみます。キャップを開けると同時に、中から少し出てくるくらい一杯に入っているのが正常です。

 これは、必ずエンジンをかける前の冷えた状態で行います。エンジンが熱いと、内部の圧力が高くなっているため、蒸気や熱い液が噴き出すので非常に危険です。これを防ぐための圧力抜きボタンを装備したキャップもあります。どうしても熱いときに行うとき(オーバーヒートの時は細心の注意を!!)は、タオルを何重かにして、キャップを徐々に緩めます。90度くらい回すと、一段解除になり少し持ち上がるので、そのときに圧力を逃がすようにします(キャップを少し揺さぶると良い)。くれぐれも一気に外さないように気を付けます。
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